為替レートの購買力平価からのかい離率

2017年01月10日

主要国の為替レートが購買力平価からどれくらいかい離しているかを見てみました。

データは、購買力平価(2015年)はOECD、為替レート(2016年12月末)はIMFから取得してます。12月のデータがない国はYahooファイナンスで数字を拾いました。



最近のドル高を反映して、対ドルで高いのは、スイス、デンマーク、ノルウェイ、オーストラリアの4か国だけになっています。
日本は-9.2%の円安。先進国では、イギリス(-13.5%)、ユーロ圏(-19.9%)、韓国(-26.2%)のマイナスかい離が大きいです。

一方で新興国の通貨は総じて高いマイナスかい離です。
これはバラッサ・サミュエルソン効果と思われ、1人あたりのGDPと購買力平価からのかい離率をグラフにすると先進国と新興国のグループにはっきり分かれます。



全体として見ると、先進国ではユーロ圏と韓国が、新興国ではトルコとロシアのかい離が大きい感じです。特にトルコリラは昨年からかなり暴落しており、1人あたりGDP(2万ドル)に比べてかい離率が高くなっています。

あけましておめでとうございます。

2017年01月04日

昨年は為替やBrexitや大統領選といった外部要因に振り回された一年でした。
日経平均は結果的にはややプラスで終わってますが、年末までマイナスが続きあまり上がったという印象がありませんね。

僕の成績も昨年はいまひとつ冴えませんでした。
リーマンショック以後は何かのショックで大きく下げるたびにポジションを売りたがる傾向ができてしまったのですが、これが足を引っ張っています。もう少し無駄な売買を控えなければと思ってます。

ブログは更新したりしなかったりという感じですが、今年はもう少し更新頻度を上げたいなと思っています。
それと現在コメント欄を停止してますが、これは返事を書くのに長時間考えたあげく平凡な2、3言しか書けないという性格のせいです。コメント自体はとてもうれしかったですしモチベーションになりました。ありがとうございました。

購買力平価と実際の為替レート

2016年12月21日

購買力平価と実際の為替レートの推移をグラフにしてみます。
購買力平価はOECDから、為替レートはIMFの年次データです。2016年の為替レートのみ月足の最終データを使いました。

グラフの見方ですが、ドル円に限って上方向が円安・下方向が円高となります。それ以外の通貨は上方向が通貨高(ドル安)・下方向が通貨安(ドル高)です。

・ドル/円



[購買力平価と実際の為替レート]の続きを読む

各国株価のトレンドとバリュエーション 8月末

2016年09月01日

8月末の先進国・新興国の株価指数のトレンドとバリュエーションのチェックです。

・株価データはMSCI、CAPEやPERはStarCapital、為替はIMFみずほ銀行より取得しています。
・株価チャートは2007年末を100として作成。月足・配当抜き・現地通貨ベースです。
・取得したCAPE・PER・配当利回りは6月末の数字なので、MSCIの6-8月の騰落率で調整しています。


○ 先進国と新興国

先進国は横ばい、新興国は2.3%の続伸でした。
新興国指数はこれで3か月連続のプラスで、1年損益も+9.2%と先進国の+4.5%よりも大きくなっています。ただし、円ベースではどちらの指数も依然としてマイナスです。

バリュエーションは先進国が20倍超、新興国が14~16倍と新興国の方が割安感があります。



CAPE PER  配当 前月比円ベース1年損益円ベース
全世界 19.919.92.6%0.1%-0.7%5.0%-10.6%
先進国20.820.72.5%-0.1%-0.9%4.5%-11.0%
新興国14.616.32.9%2.3%1.5%9.2%-7.1%


[各国株価のトレンドとバリュエーション 8月末]の続きを読む

複合バリュー指標でのスクリーニング

2016年07月27日

「ウォール街で勝つ法則」で成績の良かった複合バリュー指標を四季報CDでスクリーニングしてみた感想です。

複合バリュー指標はPERやPBRといったバリュー指標を複数組み合わせたものです。
具体的には、まず単体指標のスクリーニングで対象銘柄をランク付けし、次に指標ごとのランクを合計してその合計点で割安度を判断するという手順です(PER100点+PBR95点+PCER105点=300点といった感じ)。

「ウォーク街で勝つ法則」では以下の3つの複合指標を検証しています。
・その1 : PBR、PER、PSR、EV/EBITDA、PCFR
・その2 : その1 + バイバックイールド(発行済み株式の変化率)
・その3 : その1 + 株主利回り(バイバックイールド+配当利回り)

四季報でバイバックイールドをスクリーニングしたところいくつか異常値が出てきたので、今回は配当利回りを代わりに使ってスクリーニングしてみました。PBR、PER、PSR、EV/EBITDA、PCFR、配当利回りの複合指標になります。
以下が上位48銘柄です。





[複合バリュー指標でのスクリーニング]の続きを読む

バリューとモメンタムの統合

2016年06月02日

バリューとモメンタムの統合戦略について書かれた文章をいくつか読みました。

まずはなぜ日本市場でモメンタムが機能していないかを考察した Cliff Asness の Momentum in Japan: The Exception That Proves the Rule です。
この論文では、アメリカ、イギリス、ヨーロッパ、日本の4地域のバリューとモメンタムのロングショート戦略を検証しています。

条件は以下のとおりです。
期間 : 1981年7月~2010年12月
対象銘柄 : アメリカ、イギリス、ヨーロッパ、日本の4地域、時価総額の上位90%(2010年末のアメリカで707銘柄。大型株です)。
バリュー戦略 : PBR。3分位で上位と下位のロングショート。
モメンタム戦略 : 直近1か月を除く12か月リターン。3分位で上位と下位のロングショート。
リバランス : 月次。

バリューとモメンタムの結果は以下のとおりすべての地域でプラスのリターンとなっています。ただし、日本はバリューが圧倒的に強い一方でモメンタムのリターンはゼロすれすれでした。また、アメリカのバリューとモメンタムの成績もいまひとつ魅力に欠ける数字とのことです。




[バリューとモメンタムの統合]の続きを読む

2015年の感想

2015年12月31日

年初の考えとしては、今年は小幅でもプラスで終わればいいかなというものでした。
実際にはTOPIXやJASDAQは10%前後も上昇して終わり、思ったよりもずっと強かった印象です。

自分の成績はやや物足りない数字でした。
最近は暴落恐怖症気味になっており、市場が下がり出すと売り、反発した後に買うという感じになっています。押し目買いや逆張りすべき場面で売っているわけで、明らかにこの取引がパフォーマンスの足を引っ張っています。
ただ、僕の場合はポートフォリオのほぼ100%を株式で運用しているので、大きなリスクを避けるという点ではやむ負えないのかなと思ってます。

不満を言いだせばきりがありませんが、今年も市場が上昇したのは良かったです。来年も大損せずに多少のリターンを取れればいいなと思ってます。

日本株の規模効果と割安株効果

2014年03月26日

Russell/Nomura 日本株インデックスの80年からのデータがダウンロードできたので、規模効果と割安株効果を見てみた。
ちなみにトップ・キャップはインデックスの上位50%、スモールキャップは下位15%とのこと。こちらの図がわかりやすい。


・規模効果

トータルでは小型株のリターンが勝っているが、途中経過を見ると一貫してアウトパフォームしているわけでもない。この指数での規模効果はあまりはっきりしていないように見える。




・割安株効果

こちらはバリュー株の圧勝でほぼ一貫してグロース株を上回っている。ただし、ITバブル時には小型割安株が弱かった。



2000年を基準にしたチャート。小型割安株が強い。




・景気後退時のリターン

X軸の目盛はリセッション開始の月を示す。
景気後退時のリターンを年率換算すると、スモールグロース-11%、スモールバリュー-5%、トップグロース-5%、トップバリュー-3%となった。小型グロース株のリターンが非常に悪い。




・景気拡大時のリターン

年率換算で、スモールバリュー14%、トップバリュー11%、スモールグロース9%、トップグロース5%となった。バリュー株、小型株ほど強いという結果。



国際収支についてのメモ

2010年08月18日

■ 国際収支

経常収支、資本収支、外貨準備の増減、から構成される。


○ 経常収支

貿易収支、サービス収支、所得収支、経常移転収支、から構成される。

・貿易収支・・・自動車などの財貨の取引

・サービス収支・・・旅行・輸送などのサービス取引

・所得収支・・・対外金融債権・債務の利子・配当金

・経常移転収支・・・国際機関への分担金や贈与・寄付等



○ 資本収支

資本収支は、居住者にとって資産となる取引を計上する「資産」と居住者にとって負債となる取引を計上する「負債」に分けて発表されている。
例えば、資産サイドの直接投資-26052は、海外子会社の設立や増資等居住者による対外直接投資が26052億円行われたことを示す。負債サイドの直接投資14002は、海外投資家から日本に14002億円の直接投資が行われたことを示す。

資本収支は、投資収支とその他資本収支にわけられる。

・投資収支・・・居住者と非居住者の間の金融債権・債務の移動に関する取引。「直接投資」「証券投資」「その他投資」の3項目ある。



○ 外貨準備増減

通常は介入がなければ大きく動かない。



○ 経常収支と資本収支の関係

経常収支+資本収支+外貨準備増減+誤差脱漏=0

経常収支=資本収支+外貨準備増減 (誤差脱漏を除く)

経常収支と資本収支は表裏の関係にある。
経常収支が黒字であれば、それと同額の資本が海外に流出するか、外貨準備が増加する。



■ 国民経済計算との関係

① GDPの純輸出は、国際収支の貿易・サービス収支にあたる。

GDP=消費+投資+政府支出+純輸出

GDP=内需(消費+投資+政府支出)+外需 (純輸出)

GDP=内需+「貿易・サービス収支」


② GNPはGDPに所得収支を加えた数字。

GNP=GDP+「所得収支」

GNP=内需+「貿易・サービス収支」+「所得収支」


③ GNPに経常移転収支を加えると総国民可処分所得となる。

総国民化処分所得=GNP+「経常移転収支」

総国民化処分所得=内需+「貿易・サービス収支」+「所得収支」+「経常移転収支」

総国民化処分所得=内需+「経常収支」

メガバンク 2010年決算

2010年06月17日

メガバンク3社の数字を更新した。


■ 収益

経常利益はピークまでまだ遠い。




業務純益・与信関係費用・株式関係損益の推移。
株式の損失がなくなったことが回復の一番の要因のようだ。三井住友とみずほは与信関係費用も大きく減少した。業務純益では、みずほの回復が遅れている。









■ 財務

増資効果もあり、Tire1比率は大きく改善。繰延税金資産は大幅減少。リスク管理債権と引当率は良い数字をキープしている。









問題のコアTire1比率だが、三菱UFJは8.2%、三井住友は7.7%と発表している。両社のコアTier1の定義は、Tier1-(優先株式+優先出資証券) 。

みずほは本源的自己資本比率を5.6%と発表している。ただし、この自己資本比率では強制転換型の優先株5000億円を差し引いていない。三菱UFJと三井住友の基準のTire1比率を計算すると4.7%程度となる。ちなみに増資で調達する8000億円を加えると比率は6.1%程度に改善する。



■ 優先株

みずほの発行する第11種優先株の残りは約5000億円まで減った (45%取得済み)。株価160円で計算すると希薄化は20%程度となる。

強制転換型の第11種優先株についてもう少し詳しい内容。

・普通株への転換の期間は08年7月1日~16年6月30日までで16年7月1日になると一斉転換される。

・毎年7月1日が転換価格の修正日。時価が転換価格を下回っていた場合には時価に修正される。(時価とは修正日に先立つ45日取引日目に始まる30取引日の終値の平均値とのこと)

・転換価格は当初転換価格の60%または5万円のいずれか高い金額が下限となる。(この話はこちらのページに書いてあった。有報では見つけられなかったが、今年の転換価格は去年の転換価格の60%になっているので正しい情報だと思う。)

・優先株が普通株に転換される場合、増加する普通株の数は発行価格1000円÷転換価格となる。転換価格500円であれば優先株1株につき普通株2株、転換価格が200円まで下がれば優先株1株につき普通株5株となる。つまり株価が下がるほど希薄化の影響が強くなる。



■ バリュエーション

景気が回復した場合のバリュエーションの予想。

業務純益/貸出金は04~07年の平均値を、与信関係費用は07年の数字を(ほぼ最低の費用)、その他の損益と株式関係損益はゼロ、税率は40%として計算。



これ以外に、三菱UFJによるモルガン・スタンレーへの9000億円の投資、三井住友による日興コーディアル証券と日興シティグループ証券の買収、増資による資金調達があったので利益の上乗せはあると思う。

現在の時価総額は、三菱UFJが6兆円、三井住友3.8兆円、みずほ2.4兆円となっている。
これを基準にしてPERを見積もると、だいたい5~7倍くらいになる。評価としては三井住友が低いのではないかと思う。みずほは増資と優先株転換による希薄化の影響を考えるとそれほど割安感はない気がする。


最近の記事