割高なシラーPERをどう考えるか

2017年03月10日

現在、シラーPERは歴史的に見ても割高な29.11倍にまで上がっており、このバリュエーションの高さに警告を鳴らす記事を見かけます。


Shiller PE Ratio

一方でこの指標は1990年代以降のほとんどの期間で平均以上の水準にあり、タイミング戦略がうまく機能していないという問題もあります。

シラーPERについては過去にいくつかの記事を書きました。
バリュエーションと投資タイミング
グローバル市場でのCAPEレシオの有効性
Global Value: How to Spot Bubbles, Avoid Market Crashes, and Earn Big Returns in the Stock Market
金利とインフレ率とPER

今回新たにいくつかの記事を読んだので、メモと感想を書いておきます。

[割高なシラーPERをどう考えるか]の続きを読む

去年の感想と今年の投資スタンス

2017年01月04日

2016年のリターンは、MSCI先進国+5.3%、MSCIアメリカ+9.2%、MSCI日本-2.6%でした。円ベースだと先進国は小幅高といった感じです。

年末の成績だけを見ると全体的には悪くない年でしたが、年初からの円高を背景に日本株は一時大きく値を下げました。日本市場は為替の影響が大きい脆弱な市場だと痛感した一年でした。

さて、昨年初めの投資スタンスを振り返るとこんな感じに書いてます。為替について完全に楽観的過ぎましたね。

・日米のシラーPERは割高感があるが、アメリカ経済に大きな問題はないため、欧州や中国が大崩れしないかぎり高バリュエーションのリスクは顕在化しないのではないか。

・すでに企業の利益率は高い位置にあるため利益率向上による増益は難しいので、バブル的なPERの高騰がないかぎり株価の大幅な値上がりは見込みにくい。企業の成長分だけ株価が上がってくれればOK。

・日銀の金融緩和継続とFRBの量的緩和終了で大幅な円高リスクは低いと思う。

今年の年初の投資スタンスですが、基本的に去年と同じです。
日米のバリューエーションには割高感があって怖いところですが、アメリカ経済が景気後退に入る兆候はありませんし、株価も長期トレンドラインの上にいるのでこれが割れるまでは株式ポジションを維持していこうと思います。

去年問題になった為替ですが、現状は購買力平価からは円高、金利差からは円安といった感じです。
購買力平価は短期的にはあまり役に立たないこと、市場の動きを見ているかぎり現在は金利の動きに連動していることを考えて、アメリカ経済が順調で利上げが続くのであれば大きな円高は来ないのではと予想します。当てになりませんが。


ここまでの感想や反省など

2016年02月15日

今年は年初からひどい下げでちょっと参ってます。こういう状況になると、ああしておけば良かった、こうしとけば良かった、などと考えてしまいますね。。。

いまとなっては手遅れですが、今年の見通しとポジションについて反省してみます。

まずは自分の方針です(必ずしも方針に従えてはいませんが)。

・基本的にタイミング投資は難しいというのが前提。

・大幅下落を予想するときだけキャッシュポジションをとる。それ以外の状況(大幅上昇、小幅上昇、小幅下落)を予想するときは100%株式投資。これはケン・フィッシャーの受け売り。20%程度の調整をタイミングよくとるのは難しく、上昇を逃すリスクの方が大きいという理由。

・大幅下落は40~60%くらいの暴落を想定。通常であれば10年に一度あるかという頻度(ただしバブル崩壊後の日本株ではこのレベルの暴落が頻繁に起きている)。

・バリュエーションが割高、景気後退を予想、株価が長期トレンドを割り込む、という3つの条件が揃ったときに株価の大幅下落を予想する。それぞれ1つの条件だけであれば株価が大きく下落しないことも多いが、さすがに3つの条件が重なれば厳しいだろうという考え。条件が揃わないときの暴落は諦める。

暴落の可能性については日米のバリュエーション(CAPEレシオ)の割高感からたびたび考えており、特に昨年後半に株価が長期トレンドを割り込んだときには大幅にキャッシュポジションを増やすべきか迷いました。ただ、結局は景気後退に自信が持てずポジションを戻して今年に入りました。

景気はアメリカが堅調なので、結局は中国の減速をどう考えるかというところだと思います。
中国に関しては民間債務の急増という問題は確かに要注意だと感じましたが、政府がコントロールできずハードランディングにつながるかどうかに自信が持てませんでした。また、仮に中国がハードランディングするとしてもそれが世界的な景気後退につながるかも不明ですし、その崩壊がいまこのタイミングで起こるかという問題もあります。
結局、中国はちょっとまずそうだけど、いまのタイミングでバブル的な崩壊が起こりそれによって世界的な景気後退となるシナリオは分が悪い賭けかなと思いました。

実際、キャッシュポジションを取るのが正しかったのかはいまもよくわからないです。去年夏の下落局面では株価はかなり戻しましたし、現在もアメリカは10%ほどの下げで暴落になるかはいまだ不明なところです。確信が持ってポジションが取れない以上は下げに巻き込まれたのも仕方なかったのかなと思っています。

ただ、日本株についてはもうちょっと慎重になっておくべったかなと反省しています。
ここ何年かの日本株は出来すぎの環境でしたが、もともと日本は為替や海外景気に左右されやすい脆弱な市場なのだと思います。もうちょっとボラティリティの低い市場にも分散しておいても良かったのかもと。

まあそうは言っても、リスクオフ=円高という状況では、海外に分散投資しても為替差損で日本株の下落とそんなに変わらなくなってしまいます・・・。危機で円高という構図はやっかいですね。

2015年1月時点の投資スタンス

2015年01月19日

あっという間に1月も半分以上が過ぎてしまいましたが、今年の相場観について書いてみます。


①バリュエーション

現在の日経平均のPERは実績16倍・予想15.5倍で、S&P500は(S&PのHPの数字をつかうと)実績17.3倍・予想15.4倍となっています。どちらも過去の平均レベルだと思います。

ただし、5年平均利益を使った実績PERで見るとどちらも数値が上がり、特に日経平均はPER30倍近くとかなり割高感が出てきます。これは企業の利益率が過去最高の水準に達してしまっているためです。

つまり現在の数字は表面的には平均レベルですが、利益率の改善による増益効果が期待しにくい一方、もしリセッションが起きた場合は売上の減少・利益率の低下・PERの下落によるトリプルショックの暴落が起こる可能性があり、潜在的にはやや割高な状況だと考えています。

[2015年1月時点の投資スタンス]の続きを読む


最近の記事