金利と為替レート

2016年05月04日

今回は為替と金利についての話です。


○ 金利平価説

為替は金利差を打ち消す方向に動くという説です(高金利通貨→通貨安、低金利通貨→通貨高)。マーケットが効率的であればフリーランチはないので、高金利通貨の金利収益は通貨安によって相殺されてしまいます。
金利平価説にはカバー付きとカバー無しがあります。

カバー付きとは、現時点の先物価格が金利差と一致しているかどうかです。例えばA国の金利が2%、B国の金利が0%だとすると、1年先の先物価格はA国が2%低くなります。でなければ裁定取引で利益を出すことができます。
カバー無しは実際の為替レートの動きが金利差と一致したかという話です。

実証的な研究では、カバー付きは成り立つもののカバー無しは成り立っておらず(高金利通貨に有利)、この現象はフォワード・ディスカウント・バイアスなどと呼ばれる有名なパズルになっているとのことです。このパズルを説明する統一的な見解はまだないそうです。

ちなみに先物市場の価格付けと現実の為替レートの動きが一致する必要はないので、先物市場は金利差で決まるが将来の為替レートがどう動くかはまったく別の問題であるという見解も成り立つようです。投資家にとってはこの意見が単純で分かりやすいかなと思います。

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先進国と新興国の為替レート

2016年04月27日

先進国は新興国よりも物価が高い、経済が発展する国の通貨は高くなっていく、という現象を説明する理論としてバラッサ・サミュエルソン効果というものがあるそうです。

この理論の前提となる条件はこんな感じです。

・貿易財では一物一価が成り立つが、非貿易財では成り立たない。

・国際的な競争にさらされている貿易財の生産性に対して、競争にさらされていない非貿易財の生産性は低い。

・一国の中の自由な労働移動によって、貿易財と非貿易財の労働者の賃金は同一になる。

・物の値段は賃金を反映する。

ここで貿易財部門の生産性が上がると、賃金裁定から非貿易財部門の賃金も上がるため、一国全体の物価水準が上がり為替レートも増加する、という話のようです。

では実際に先進国と新興国の物価水準がどうなっているのか見てみます。
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購買力平価

2016年04月26日

為替について何冊か読んだので基本的なことをまとめてみます。長くなりそうなので何回かに分けて書きます。今回は購買力平価についてです。


○ 購買力平価説

同じ物は同じ価格になるという「一物一価の法則」に基づいて為替レートが決まるという説です。
例えば、りんごが日本で100円、アメリカで1ドルで売られていたとすると、りんごを基にした購買力平価は1ドル=100円になります。
もし、同じ物が別の国で違う値段で取引されているのであれば、価格の安い国で購入し、価格の高い国で売ることによって利益を得ることができます。

購買力平価を基にすれば為替レートの動きはインフレ差によって決まることになります。高インフレの国ほど通貨安になるということです。先の例では、インフレによって日本のリンゴが1000円になれば、購買力平価による為替レートは1ドル=1000円となります。

購買力平価の問題としては以下の点が挙げられています。
・輸出入が難しく裁定が成り立たない財やサービスの存在。
・輸送費、関税などの障壁。

購買力平価には問題があるものの、長期で見れば成り立つと考えられています。
Global Investment Returns Yearbook 2012 には1900年~2011年の期間における19か国のドルに対する名目・実質為替レートが掲載されています。名目為替レートは国によって大きく動いていますが、そのほとんどはインフレによるもので、実質為替レートの変化率はプラスにせよマイナスにせよ年率1%以下にしかなっていないとのことです。



また、このレポートには1970年~2011年までの83か国の名目為替レートの変化率とインフレ率(どちらも対US)の散布図も載っています。こちらを見ても為替レートとインフレの相関が強いことが分かります。



購買力平価には絶対的購買力平価と相対的購買力平価があります。

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