決算発表前の逆張り戦略

2017年04月06日

Pre-earnings announcement strategies

決算発表後のドリフト(ポジティブサプライズの銘柄の株価はその後しばらく上がり続け、ネガティブサプライズの銘柄の株価は下がり続ける)についてはよく知られていますが、この記事では決算発表前に大きく上がった銘柄を売り、大きく下がった銘柄を買う戦略を調べています。

・ラッセル3000インデックスの銘柄が対象。

・決算発表の4日前~2日前までの市場超過リターンを調べ、決算発表の前日終値で超過リターン上位18銘柄を売り、下位18銘柄を買う。ネットのポジションはマーケットインデックスでヘッジする。

・決算発表の翌日の終値で手仕舞い。

2011年8月3日から2016年9月30日の期間でこの戦略によって年率9.1%のリターンが得られたとのことです。

ただ、累積の損益グラフを見ると有効な期間と有効でない期間がはっきり分かれている感じです。

アメリカ企業の収益力は向上した

2017年04月03日

This Time it Really is Different という記事に、アメリカ企業のキャッシュフローROIが1990年代後半から向上しているということが書かれています。



同時期にアメリカ株式市場の時価総額/GDP比率やPSRは上がりました。

著者は、収益性の向上が高バリュエーションにつながるかは知らないと言っています。が、収益性の低い企業が低バリュエーションとなるのは妥当だろうとも書いています。


個別の企業を見ると、収益性の高い会社は高PERとなることが多いように見えます。タイミングも同じですし、アメリカ企業の収益性が上がったことでシラーPERも一段高くなったという説明もそんなにおかしくないような気がしました。

ただし、著者はあらゆる伝統的な指標で見ていまの株式市場は割高だとも付け加えています。

実績PERと予想PERのどちらが有効なのか?

2017年01月18日

Dumb Alpha: Trailing or Forward Earnings?

アメリカのS&P 500銘柄、イギリスのFTSE 350銘柄、ユーロ圏のEuro StoXX 300銘柄、日本の日経225銘柄を対象に実績PERと予想PERの成績を比較しています。

対象期間は過去20年でPERの下位20%と上位20%の差を比較、予想PERの計算には機関投資家のコンセンサス予想を使用とのことです。

割安銘柄の割高銘柄に対する成績は以下のとおりで、4地域どれも予想PERの成績は実績PERよりも悪かったそうです。

・アメリカ 実績PER1.2%、予想PER-1%

・イギリス  実績PER10.1%、予想PER7.4%

・ユーロ圏 実績PER4.6%、予想PER3.5%

・日本 実績PER6.6%、予想PER0.6%

著者はこの原因をアナリストの予想精度の悪さのためとしています。アナリストは過度に楽観的で、特にマーケットセンチメントが良いときに(予測の難しい)グロース株で顕著であるとのことです。


正直、日本での予想PERの成績の悪さにちょっと驚きました。
アメリカで予想PERの成績が悪いというのは聞いたことがあったのですが、日本の場合は自社で業績予想を発表するので他の地域とは事情が違うと思っていました。

あと、確か「株式投資のための定量分析入門」という本だと記憶してますが、日本では予想PERの方が成績が良いという検証結果も見たことがあったので実績PERよりも予想PERの方を重視していました。
この記事は会社予想ではなくアナリスト予想を使っていますし、対象期間や銘柄も違うので単純に結論することもできないと思いますが、実際どちらの方を重視すればいいのだろうとちょっと迷います。

エマージングマーケットが魅力的

2017年01月16日

The Emerging Markets Hat Trick: Time to Throw Your Hat In?

現在(2016年12月)は以下の3条件が揃っており、エマージングマーケットへ投資するタイミングとして申し分ないとの記事です。

・魅力的なバリュエーション ・・・ リバウンドがあったとはいえMSCI新興国指数の現在のシラーPERは11.2倍。2008年の13倍よりも低い。

・落ち込んだ通貨 ・・・ 著者らの相対的購買力平価モデルによるとリバウンド後もUSドルに対して19%割安。これは1997年・98年のアジア危機(リバウンド後)やロシア債務危機と同じような水準であるとのこと。



・プラスのモメンタム ・・・ 12か月株価モメンタムは良い状態。著者らのモデルによるとマクロ経済モメンタムも改善中(平均よりもリスクが高い状態だが)。

金利とインフレ率とPER

2016年09月27日

PERは実質金利とインフレ率に左右されるという King of the Mountain を読みました。

過去140年では実質金利(Tビル-3年平均インフレ率)が3~4%のときにPER(シラーPER)が最も高くなっているそうです。一方でインフレ率は2~3%がピークで、6%を超えるとPERは大幅に落ちてしまうとのこと。

記事にはシラーPER、実質金利、インフレ率の3Dグラフが掲載されています。
それによると実質金利3~5%とインフレ率1~3%のときにPERは26倍と最も高くなっています。しかし、実質金利やインフレ率が少しずれるとPERは大きく落ち込んでしまうそうです。



著者によると過去140年間のPERの変動の半分以上は実質金利とインフレ率によって説明できるそうです。

なお、CPIの算出方法の変更によって現在のインフレ率は1980年代の方法に比べて3~4%低くなるといったことも書かれていました。
実際どうなのかわかりませんが、会計方法の変更によって現在のシラーPERは高い数字が出るという指摘も見たことがありますし、長期の時系列データを使った分析はなかなか難しいのかなという感じです。



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