ヨーロピアンメタルズ(ASX:EMH)

2017年09月16日

チェコとドイツの国境に位置する Cinovec プロジェクトを持つ会社です。Cinovec は世界最大級のスポジュメン(リチウムを含む鉱石)の資源量を誇り、ヨーロピアンメタルズはこのプロジェクトの100%の権益を持ちます。

HPに開示されている資源量はこちらです。7mtLCE(inferred含む)という資源量はヨーロッパで最大、塩湖以外では世界で4番目に大きいそうです。また、探索によりさらに3.4mt~5.3mtLCEのアップが見込めるとのことです。



他プロジェクト(塩水系以外)との資源量の比較はこちら。



現在の状況は Preliminary Feasibility Study が完了し、Definitive Feasibility Study の結果を2018年に待つ段階です。

PFSの結果はこちらです。



生産コストは3,483ドルと非常に低く、会社資料ではオロコブレの Olaroz よりも低い水準になっています。
Cinovec のスポジュメングレードは低いものの、錫などの副産物により低コストになるようです。



ちなみにこちらの記事によるとPFSのNPVは期待を下回る数字だったとのことですが、これはあくまでも概測資源量(Indicated resource)の9.9%に対してであるため今後の上方修正が期待できるとの話です。
なお、順調にいけば生産開始は2019年2Qの予想とも書かれています。

現在、株価は0.8オーストラリアドル、時価総額は62百万オーストラリアドル(約50百万USドル)です。
資源量に比べると極めて低い時価総額ですが、Definitive Feasibility Study の結果がまだで、資金調達やオフテイク契約もないため生産までのリスクが高いのが原因でしょう。

リチウムイオン電池株の電池比率

2017年09月15日

リチウムイオン電池の関連銘柄として名前が挙がっている会社の電池セグメントの比率を見てみました。
市場シェアなどの情報はこちらを参照にさせてもらいました。

電池材料を含むセグメントの全体への比率は下表です。数字は直近の通期決算のものです。電池材料単体のセグメントと思われる場合はセグメント名の前に〇をつけています。



[リチウムイオン電池株の電池比率]の続きを読む

リチウムXエナジー(CVE:LIX)

2017年09月12日

リチウムトライアングルに位置する Sal de Los Angeles が旗艦プロジェクトです。周囲はこんな感じです。



資源量は予測資源量(Inferred Resource)も含めて約2mtLCEです。周囲の湖に比べると比較的小規模です(たとえばギャラクシーの Sal de Vida は7.2mtLCE)。

今後のスケジュールは、2017年下半期に予備的な実現可能性調査(pre-feasibility study)の結果、2018年にフィージビリティ・スタディの結果、 2019年にフル生産(年間15ktLCE)開始です。

リチウムXの Sal de Los Angeles に対しての持ち分ですが、2017年6月にパートナーの50%を取得したことで現在は100%となっています。

これ以外のプロジェクトとしては Clayton Valley と Arizaro salar があります。

Clayton Valley はネバダ州の Silver Peak (アルバマーレが生産中)周辺の土地です。予測資源量は816,000トンLCEとのこと。リチウムXが19.99%を保有する Pure Energy Minerals が開発しているみたいです。

Arizaro salar はリチウムトライアングルに位置する世界でも最も大きな塩湖のひとつです。ただ、まだ初期段階でありHPにも簡単な説明しかありません。

リチウムXのバランスシートはこちらです。26百万カナダドルのキャッシュがあります。



株価は2.13カナダドルで時価総額は181百万カナダドル(150百万USドル)となっています。オロコブレ、ギャラクシー、リチウムアメリカなどと比べるとかなり小さいです。
Sal de Los Angeles の持ち分が100%であることからフル生産が実現すればそれなりの売上になりそうですが、採算性調査、資金調達、オフテイク契約といったリスク要因が解消されていないため時価総額は低めなのかなと思います。

リチウムアメリカ(TSE:LAC)

2017年09月12日

アルゼンチンの Cauchari-Olaroz が旗艦プロジェクトです。オロコブレの Olaroz の隣です。
この湖はウユニ湖とアタカマ湖(SQM&アルバマーレ)に次いで世界で3番目の資源量を誇るとのことです。

生産開始は2019年の予定で年間25ktLCE、2021年に年間50ktLCEを目指しています。リチウムアメリカの持ち分は45.75%なので、フル生産が実現すれば年間22~23ktLCEの売上となりそうです。オロコブレの Oraloz (35ktLCEの66.5%)やギャラクシーの Sal de Vida (25ktLCEの100%)と同レベルです。

フィージビリティ・スタディの結果は2017年3月に出ており、HPにわかりやすい表となっています。



リチウム価格によるEBITDAも掲載されており、価格によって業績が大きく変わることも示されています。



プロジェクトのパートナーは同じく45.75%を持つSQMです。また、Gangfeng Lithium と Bangchak Petroleum から出資を入れることで資金調達とオフテイク契約も済ませています。生産までの各種リスクは低いです。

他にはネバダプロジェクトもあるもののまだ初期段階です。HPには予想される資源量が書かれているくらいです。

株価は1.4カナダドルで時価総額は612百万カナダドル(505百万アメリカドル)。オロコブレやギャラクシーの2/3ほどです。生産開始が2019年になるのが原因かなと思います。

ギャラクシーリソースズ(ASX:GXY)

2017年09月12日

Mt Cattlin(オーストラリア、鉱石、生産中)、Sal de Vida(アルゼンチン、塩湖)、James bay(カナダ、鉱石)という3つのプロジェクトを持つ会社です。いずれも権益は100%です。

・Mt Cattlin

2016年に生産開始。2017年上半期の生産量は56,465トン(6月単月は年率換算で170,000トン)、鉱石グレード5.6%、リカバリーレート61%、平均販売価格645USドル(今後は2017年契約の830~905USドル/トンになる)、生産コストは391ドル(6月単月は334ドル)でした。2017年のガイダンスは生産量120,000トンです。

販売価格850ドル、生産コスト350ドル、販売量160,000トン(プラントのキャパシティ)で単純計算すると80百万ドルのEBITDAとなります。

鉱石(スポンジュメン)の販売量をLCEにしてみると、160,000トン×グレード5.6%×リカバリーレート61%×2.47(ここによるLi2O→Li2CO3換算値)で13,500トンになります(計算が合っているかはわかりませんがここを参照)。

EBITDAや販売量はオロコブレの Olaroz (フェーズ1)に近いです。ただ、鉱山寿命は18年程度と短いです。

[ギャラクシーリソースズ(ASX:GXY)]の続きを読む

オロコブレ(ASX:ORE)決算

2017年09月07日

2017年6月期の決算が出ていました。

オロコブレはアルゼンチンのオラロス塩湖でリチウムを生産している会社です。オラロスプロジェクトのパートナーは豊田通商でオロコブレはプロジェクトの66.5%の権益を持ちます。リチウムジュニアとしてはいち早く生産までこぎつけた会社です。

2016-17年の生産量は11,862トンLCE(炭酸リチウム換算)、販売量は12,296トンLCEでした。

平均の販売価格は9,763ドル/トンでコストは3,710ドル/トンでした。リチウム価格の上昇から17年4-6月期の販売価格は10,696ドル/トンまで上がっています。

オロコブレ本体の業績は、売上97.2百万ドル、EBITDA39百万ドル、純益19.4百万ドルでした。
資産売却益が14.8百万ドル、減損が8.1百万円ドルあります。



バランスシートにはキャッシュが54.3百万ドル、短期借入43.7百万ドル、長期借入92.2百万ドルあります。

18年のガイダンスは14,000トンLCEです。

オラロスプロジェクトの確認されている埋蔵量は6.4mtLCEで、フェーズ2により35,000トンまで生産量を拡大できるとのことです。

オラロスプロジェクト以外としては、Advantage Lithium の35%(オラロツ近郊のCauchari Project の共同開発)を持つほか、子会社の Borax Argentina がホウ素などを生産しているそうです。

会社の株価は3.89オーストラリアドルで時価総額は818百万オーストラリアドルです(653百万USドル)。

ガイダンスと実績の数字を使い、14,000トンの販売、販売価格11,000ドル、コスト3,710ドル、減価償却と利払い13百万、税率35%で計算すると、利益は31百万ドルとなります。PERは21倍。
販売量が35,000トンまで増えると利益97百万ドルでPERは6.7倍となります。

ただ、バリュエーションはリチウム価格によって大きく変わってきます。リチウム価格を8,000ドルから13,000ドルに変えるとバリュエーションも下のように変化してしまいます。

生産量リチウム価格
13,00012,00011,00010,0009,0008,000
14kt15.117.621.026.134.450.4
35kt5.15.86.78.09.712.6

今後のリチウム価格は需給次第だと思いますが、一般的には供給過剰気味という予想が多いようです。下のグラフはオロコブレの資料ですが、リチウムの供給は大幅に増える見通しになっています。
ただ、EVにおけるリチウムの使用量が非常に大きいため、普及が想定以上に進んだ場合は供給不足になることもあり得そうです。結局はEVの普及率次第ということろでしょう。



会社のバリュエーションに特別な割高感や割安感はないと思います。
アルバマーレやSQMのPER40倍前後と比べると低いですし、順調に生産量を拡大できれば株価の上昇余地も増えそうです。

03933(香港) 洛陽モリブデン

2017年05月29日

中国のモリブデン最大手。他にタングステン、銅、コバルト、金などの生産を手掛けている会社です。

2016年にフリーポートマクモランよりコンゴ民主共和国の銅・コバルト鉱山 Tenke Fungurume を取得というビッグニュースが出ています。これにより銅生産が大幅に増加、コバルト生産は世界第二位となりました。

ちなみに2016年の世界の銅需要は22.45百万トンでトップの Codelco の生産量が1.8百万トン、世界のコバルトの需要は100.1千トンでトップのグレンコアの生産量が28.3千トンとのことです(各社のアニュアルレポートより)。
洛陽モリブデンは2017年の Tenke の生産量として銅219千トン、コバルト18千トンを予想しています。

[03933(香港) 洛陽モリブデン]の続きを読む

リチウム生産会社

2017年03月24日

EVの普及に伴い重要性が増すと思われるリチウムを生産している会社についてのメモです。

現在ビッグ3とされているのは Albemarle、SQM、FMC で、これに中国の Tianqi や Gangfeng を加えたのが主要なリチウム生産会社ということになりそうです。
このほか新興企業では、Orocobre や Galaxy Resources がすでに生産を開始しています。

2015年9月の資料ですが、リチウムのマテリアルフローに主なリチウム供給地が掲載されていました。



Albemarle と SQM のアタカマ塩湖、FMC のオンブレ・ムエルト塩湖、Orocobre のオラロス塩湖、 Tianqi が買収したタリソンリチウムのグリーンブッシュ鉱山、Galaxy Resources のマウント・キャトリンが掲載されています。

なお、リチウムはかん水から生産する方法と鉱物として採掘する方法があり、かん水からの生産の方がコストが低いものの時間がかかる一方で、鉱物の採掘はコストが高いものの短期間で生産が可能とのことです。

[リチウム生産会社]の続きを読む

リチウムの需要と供給

2017年02月07日

EVの普及により需要増加が予想されるリチウムについてのメモです。


○ リチウム需要

What if I Told You … Lithium is the New Gasoline

ゴールドマンサックスのレポート。

・現在の需要は、炭酸リチウム換算(lithium carbonate equivalent)で年間160,000mt。
※リチウム1トンは炭酸リチウム換算(LCE)で約5.3トンとのことです。

・バッテリーEVの1%のシェア上昇はリチウム需要を年間70,000mtLCE上げると予想。

・普通の携帯電話は5~7グラムのリチウムLCEを使うが、テスラモデルSは63キログラム(携帯10000台分)を使用する。

・2025年までにEVのリチウム消費は11倍以上に増加すると予想(ゴールドマンサックスはEVのシェア22%を予想)。この需要だけでリチウム市場は現在の3倍に拡大する。

[リチウムの需要と供給]の続きを読む

2016年のEV販売台数

2017年02月03日

EV Company News For The Month Of January 2017

・2016年のEVの販売台数は77.4万台で2015年から40%の増加。自動車販売台数に占めるシェアは0.85%。

・2016年12月の販売台数は10万台を超えた。

・中国の12月の販売台数は44,874台で前年比27%。シェアは1.47%。2016年の通期ではEV世界販売の46%を占める。現在の補助金は2017年に20%減、2019年までに40%減、2021年までに100%減となる。

・ヨーロッパの12月の販売台数は3万台、アメリカは2.4万台。

・2016年のメーカー別販売台数はBYDが10万台でトップ、2位はテスラの7.6万台。車種別の販売台数は日産リーフが5.18万台でトップ、2位はテスラモデルSの5.09万台。



・リチウムイオンバッテリーのコストは下がっている。EVには燃料タンクやその他の部品が不要なことを考えると、EVの価格は2020年前までにガソリン車並みになると予想される(著者は2020年~2022年を予想)。



この方はEVメーカーの他にリチウムやコバルト採掘会社についても詳しい記事を書いています。
2016年6月のこちらの記事では、推奨銘柄は、EVメーカーはBYD、リチウムイオンバッテリーメーカーはLG化学、リチウム採掘会社はギャラクシーリソースズ、コバルト採掘会社はフォーメーションメタルズ、グラファイト採掘会社はシリアンリソースズとなってます。


僕の感想ですが、EV関連銘柄はなかなか適当なものがないなという感じです。
EVメーカーはBYDとテスラがトップですが、どちらも時価総額がかなり大きいためいまから大化けを狙うという感じではないです。
リチウムイオンバッテリーメーカーはパナソニック、LG化学、サムスンSDIが大手ですが、時価総額がそこそこ高い一方でリチウムイオンバッテリー事業の割合が低いです。
リチウムやコバルト採掘会社はかなり良さそうなんですが、(専業の会社は)日本の証券会社では取り扱いがないためインタラクティブブローカーズといったアメリカの証券会社に口座を持つ必要があります。



最近の記事