モメンタムで損失を回避する

2017年01月14日

Using Absolute Momentum to Positively Skew Calendar Year Returns という記事に10か月移動平均によるマーケットタイミングを使うと年次リターンがどれくらい変わるのかというグラフが掲載されていました。

バイアンドホールド(赤はリセッションがあった年、黄色は複数年にまたがるリセッションの最終年とのこと)。
リセッションの年はリターンが悪く、景気回復の初期にリターンが高いです。



マーケットタイミング(月の終値が10か月移動平均より上のときに株式、下のときに米国債券)。-25%を超える損失が無くなります。リバウンドも捕えているとのことですが、右端の大きな利益もやや減っているように見えます。



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トレンドとバリュエーションの併用

2016年11月17日

株式市場へのシンプルなアプローチという記事でトレンドとバリュエーションを併用してマーケットタイミングを判断する方法が紹介されていました。

記事ではトレンドの判断に月足の10か月移動平均線をバリュエーションの判断にはシラーPERを使っているのですが、両者を組み合わせることで、上昇トレンド・割安、上昇トレンド・割高、下落トレンド・割安、下落トレンド・割高の4つの領域が作ることができます。
で、S&P500がそれぞれの領域にいたときのリターンを計算すると、マイナスリターンになるのは下落トレンド・割高のときだけになったとのことです。
この結果から、現在マーケットのバリュエーションは割高であるものの、株価が崩れて下落トレンドに入るまでは心配しなくていいとアドバイスしています。



トレンドとバリュエーションで判断するという戦略は確かにシンプルで良いなと思ったのですが、元記事を見ると対象期間が1900年~2013年となっています。
個人的には戦後のみの成績も知りたかったので、株価とシラーPERをダウンロードして過去50年くらいのリターンも調べてみました。

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移動平均線を使ったタイミング戦略

2015年06月12日

前回は移動平均線を使ったタイミング戦略についてのレポートを紹介しましたが、現実世界ではそんなにうまく機能しないよという話もあります。

The Real-Life Performance of Market Timing with Moving Average and Time-Series Momentum Rules

論文らしく長いうえ内容が難しくよくわからない部分がありました。でも、どんな問題点が挙げられているのはわかります。
・移動平均線の数値が最適化されている可能性。
・現実世界で必要な手数料などの取引コスト。
・税金。
・対象期間。どの期間で見るかによってマーケットタイミングの成績は大きく変わる。具体的には、大恐慌、オイルショック、ITバブル崩壊、リーマンショックの4つの下げ相場で非常に良いパフォーマンスだが、それ以外の期間は概してバイ&ホールドを下回っている。

リンク先の検証では、アウト・オブ・サンプルテストとかちょっと複雑な方法を使ったり、シャープレシオで結果を評価していたりと直感的にわかりにくいところがありました。取引コストだけを加えた結果も税金を考慮した結果もありません。

そこでここでは1950年~2014年のS&P500の月足データ(YahooFinanceからダウンロード)を使って、バイ&ホールドと移動平均タイミング戦略のリターンをシンプルに比較してみます。
条件は、月足終値が移動平均線を下回ったときに現金化する戦略、現金時のリターンゼロ、配当含まず、というものです。

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A Quantitative Approach to Tactical Asset Allocation

2015年06月10日

10か月移動平均線を使ったマーケットタイミング戦略を検証した A Quantitative Approach to Tactical Asset Allocation を読みました。
戦略は非常にシンプルで、月足終値が10か月移動平均線を上回ったら買い、下回ったら売るというものです。たったこれだけでボラティリティや最大ドローダウンを抑えてリターンが向上するという内容です。

検証しているのは、1901年~2012年のS&P500、1973年~2012年のUS株・外国株・債券・REIT・コモディティとこれら5つの資産クラスのアセットアロケーション戦略、さらに対象資産を13に広げたアセットアロケーション戦略、モメンタムやレバレッジなどの組み合わせです。

正直、これほど単純な戦略に優位性があるというのは驚きでした。興味のある方は一読をおすすめします。内容的にもシンプルですし、図表が多用されており読みやすいレポートです。

以下はもう少し詳しいメモです。

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