メガバンク 2010年決算

2010年06月17日

メガバンク3社の数字を更新した。


■ 収益

経常利益はピークまでまだ遠い。




業務純益・与信関係費用・株式関係損益の推移。
株式の損失がなくなったことが回復の一番の要因のようだ。三井住友とみずほは与信関係費用も大きく減少した。業務純益では、みずほの回復が遅れている。









■ 財務

増資効果もあり、Tire1比率は大きく改善。繰延税金資産は大幅減少。リスク管理債権と引当率は良い数字をキープしている。









問題のコアTire1比率だが、三菱UFJは8.2%、三井住友は7.7%と発表している。両社のコアTier1の定義は、Tier1-(優先株式+優先出資証券) 。

みずほは本源的自己資本比率を5.6%と発表している。ただし、この自己資本比率では強制転換型の優先株5000億円を差し引いていない。三菱UFJと三井住友の基準のTire1比率を計算すると4.7%程度となる。ちなみに増資で調達する8000億円を加えると比率は6.1%程度に改善する。



■ 優先株

みずほの発行する第11種優先株の残りは約5000億円まで減った (45%取得済み)。株価160円で計算すると希薄化は20%程度となる。

強制転換型の第11種優先株についてもう少し詳しい内容。

・普通株への転換の期間は08年7月1日~16年6月30日までで16年7月1日になると一斉転換される。

・毎年7月1日が転換価格の修正日。時価が転換価格を下回っていた場合には時価に修正される。(時価とは修正日に先立つ45日取引日目に始まる30取引日の終値の平均値とのこと)

・転換価格は当初転換価格の60%または5万円のいずれか高い金額が下限となる。(この話はこちらのページに書いてあった。有報では見つけられなかったが、今年の転換価格は去年の転換価格の60%になっているので正しい情報だと思う。)

・優先株が普通株に転換される場合、増加する普通株の数は発行価格1000円÷転換価格となる。転換価格500円であれば優先株1株につき普通株2株、転換価格が200円まで下がれば優先株1株につき普通株5株となる。つまり株価が下がるほど希薄化の影響が強くなる。



■ バリュエーション

景気が回復した場合のバリュエーションの予想。

業務純益/貸出金は04~07年の平均値を、与信関係費用は07年の数字を(ほぼ最低の費用)、その他の損益と株式関係損益はゼロ、税率は40%として計算。



これ以外に、三菱UFJによるモルガン・スタンレーへの9000億円の投資、三井住友による日興コーディアル証券と日興シティグループ証券の買収、増資による資金調達があったので利益の上乗せはあると思う。

現在の時価総額は、三菱UFJが6兆円、三井住友3.8兆円、みずほ2.4兆円となっている。
これを基準にしてPERを見積もると、だいたい5~7倍くらいになる。評価としては三井住友が低いのではないかと思う。みずほは増資と優先株転換による希薄化の影響を考えるとそれほど割安感はない気がする。


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