2%の希薄化

2014年08月30日

Earnings Growth: The Two Percent Dilutionのメモです。


・米国

1802年から2001年の各種資産の年率リターンは、株8.42%、債権4.88%、短期債4.21%だった。

1800年から2000年の期間、年率の実質GDP成長率は約3.7%だった。比較的一律でスムーズな増加。




企業の利益も大恐慌を除けば、GDPと同じようなスムーズに伸びている。1929年以降では、企業の収益はGDPの8~10%ほどで推移。




1929年以降、GDPと企業収益は直接的に結びついている。よって、もし新株発行がなければ、1株あたりの利益と配当はGDPと同じように増えることになる。しかしながら、希薄化効果は存在する。

1871年以降、実質GDP成長率3.45%に対して、実質株価は年2.48%のリターンだった。PERの上昇があったにもかかわらず、年0.98%のスリッページが存在する。さらにPERの上昇効果を除くと、1株あたりの利益と配当は実質GDP成長率よりも2%落ちる。

全体の経済成長の半分以上は、既存の会社の成長ではなく、新しいアイディアや新しい会社の設立からもたらされる。株式投資は既存のビジネスへの参加しかできない。

1人あたりGDP、1人あたり収入、1株あたり利益、1株あたり配当、これらはすべて生産性の上昇と同じような比率で成長する。




・世界

1900~2000年、16か国
実質配当成長率、実質株価リターン、実質GDP成長率、1人あたり実質GDP成長率の比較。

配当成長とGDP成長のギャップは平均で年3.3%あった。1人あたりGDP成長とのギャップでも2.4%ある。
戦争の影響が軽かった7か国でも、配当成長はGDP成長より2.3%、1人あたりGDP成長より1.1%低い。
スウェーデンを除いてすべての国の配当成長はGDP成長を下回った。1人あたりGDP成長を上回ったのも2か国だけ。




・米国の希薄化効果

株価(CRDP)と時価総額を比べることで希薄化率を計算できる。
1925年末から2001年末の期間で時価総額は株価の5.49倍になった。これはネットで1年あたり2.3%の新株が発行されたことを意味する。
自社株買いが新株発行を上回ったのは1980代の後半だけで、あとは一貫して希薄化効果が見られる。



中国ネット株2Q

2014年08月30日

中国のネット系銘柄の決算が出たのでメモ。

・赤字が続く銘柄
Weibo ・・・ 前年4Qに一瞬黒字化したものの1Q2Q赤字転落。
Youku
21Vianet
JD.com ・・・ 新規上場のEC大手。


・減益や赤字の銘柄
SINA ・・・ 2四半期連続の営業赤字。
Sohu ・・・ 3四半期連続の営業赤字。
Changyou
Jiayuan
Ctrip ・・・ 2四半期連続の大幅減益。



・横の銘柄
NetEase ・・・ 一桁の増益率。直近四半期のPE15倍程度。
Perfect World ・・・ 昨年の不調から復活傾向。PER9倍程度。


・黒字化銘柄
Dangdang ・・・ 3四半期連続の黒字。増収率は3割程度。
ChinaCache ・・・ 2四半期連続の黒字。増収率は4割程度。


・好調銘柄

Baidu ・・・ 去年は前年比横の増益率が続いていたが、2Qは2割の増益。売上は5割成長。Qihoo360の台頭でシェアを落としているのが問題。直近4四半期のPER37倍。

Qihoo360 ・・・ 売上2倍成長。2Qは2割の増益にとどまる。検索のシェアは30%に達した。PER100倍以上。

YY Inc ・・・ 売上・利益ともに2倍以上の成長。PER42倍。

58.com ・・・ 上場間もない。オンライン3行広告。高成長。直近四半期のEPSで計算するとPER80倍くらい。

Vipshop Holdings ・・・ オンライン小売。高成長だがPERも100倍超える。

Tencent ・・・ 安定して高成長の続く銘柄。増収率は40%程度。PER60倍。

月次売上高と四半期業績

2014年08月13日

月次売上高でどれくらい業績を予想できるのかとふと思ったので、手持ちのデータをグラフ化してみました。
対象会社や期間は恣意的ですし、手入力なので入力ミスもあるかもしれません。信頼性はないです。でも、傾向を見るのに多少役立つのではと思います。

・使った会社は14社です。トリドール、物語コーポ、アークランドサービス、ハブ、PLANT、ワッツ、サッポロドラッグ、クスリのアオキ、薬王堂、アークランドサービス、トレジャーファクトリー、ヴィレッジバンガード、ヤマダ電機、ケーズHD。

・期間は2011年3月期の1Q~2015年3月期の1Qまでの17四半期分です。サッポロドラッグと物語コーポはデータが揃ってなかったので途中の期間からです。

・月次売上高は前年比の3か月分を単純平均して比べています。


① 月次の全店売上高と四半期売上高

月次01

当然と言えば当然ですがほぼ一致しています。相関(CORREL関数)は0.91。


② 月次の既存店売上高と四半期売上高

月次02

こちらはちょっとバラけました。相関は0.73。売上高を予想するのであれば全店売上高の方が良さそうです。当たり前ですが。


③ 月次の全店売上高と経常利益

月次03

かなりバラけています。相関は0.28。


④ 月次の既存店売上高と経常利益

月次04

相関は0.37。全店よりも高いです。
既存店売上高というのは本当に役に立つのかとちょっと疑っていましたが、これを見るかぎり経常利益を予想するのには全店売上高より役に立つみたいです。とはいえそんなに高い相関でもないです。


というわけで手持ちのデータでは、四半期売上高は月次の全店売上高からほぼ予測可能、経常利益の予測は全店・既存店ともに精度が低いが既存店売上高の方がまし、という感じになりました。



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