サイズ・バリュー・モメンタムのリターン

2015年09月19日

前回の記事でロングショートのマーケットアルファはちょっとわかりにくいと書いたので、今回は米国株のサイズ・バリュー・モメンタムの単純なリターンを見てみます。
データは Fama & French のファクターモデルで有名な Kenneth French 教授のHP にて公開されています。

以下でサイズ・バリュー・モメンタムの10分位のリターンをグラフにしてみます。均等ウェイトのポートフォリオ、幾何平均リターンで、1927年~2014年・1964年~2014年・2000年~2014年の3つの期間です。1964年を起点にしたのはちょうど50年間で区切りが良い、2000年を起点にしているのは直近の成績を知りたいという理由です。特に深い理由ではないです。

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The role of shorting, firm size, and time on market anomalies

2015年09月18日

「ウォール街のモメンタムウォーカー」で何度か引用されていた Isreal と Moskowitz の The role of shorting, firm size, and time on market anomalies を見てみました。

各アノマリーにおけるショートポジションの重要性、サイズ別のバリュー・モメンタム効果、期間別のアノマリーリターンの分析といった内容ですが、サイズ・バリュー・モメンタム単体のシンプルな成績も掲載されています。
米国株のほかに、英欧日の株式、株価指数インデックス、通貨やコモディティといった他の資産クラスの検証もありますし、バリューアノマリーの補足としてE/P、C/P、D/P、短期リバーサル、バリュー合成指標の成績も付録に掲載されています。2013年に発表された研究のため検証データも2011年末までと新しいです。各アノマリーの効果を詳しく知ることができる内容だと思いました。

しかしながら、この論文に限った話ではありませんが、アカデミックな研究と実際の投資家感覚のズレも感じました。
下の4つのグラフは最初に出てくるアメリカ株を対象にしたサイズ・バリュー・モメンタム効果の累積リターンです。左上がロングショートポートフォリオ、左下がロングショートポートフォリオのCAPMアルファ、右上がロングオンリーポートフォリオ、右下がロングオンリーポートフォリオのCAPMアルファとなっています。
4つのグラフのうち、普通の投資家であればロングオンリーポートフォリオの成績に注目すると思います。しかし、アカデミックの研究ではロングショートのCAPMアルファを規準にすることが多い感じです。



で、ベータで調整するアルファの成績とロングオンリーのリターンは一致しないことがあります。
下はサイズ・バリュー・モメンタムの10分位数のリターンの一覧表です。Raw excess (Tビルを引いた超過リターン)はそれぞれ直線的に増加しており、小型株ほど、バリュー株ほど、モメンタムが強いほどリターンが高くなっているのがわかります。
しかし、サイズとバリューのシャープレシオは平坦で、アルファのT検定は有意ではないレベルです。



「ウォール街のモメンタムウォーカー」には、Isreal と Moskowitz の研究によると”小型株プレミアムは、全期間においても、4つの20年期間のどの期間においても有意性はなかった”と書かれていますが、これはシャープレシオやアルファの数字を指しているのだと思います。
しかし、ボラティリティやベータは大切だと思いますが、小型株をロングしたときの単純なリターンは市場を上回っているわけで、普通の投資家にすればそちらの方がロングショートのアルファよりも重要な話なのではと感じてしまいます。

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