先進国と新興国の為替レート

2016年04月27日

先進国は新興国よりも物価が高い、経済が発展する国の通貨は高くなっていく、という現象を説明する理論としてバラッサ・サミュエルソン効果というものがあるそうです。

この理論の前提となる条件はこんな感じです。

・貿易財では一物一価が成り立つが、非貿易財では成り立たない。

・国際的な競争にさらされている貿易財の生産性に対して、競争にさらされていない非貿易財の生産性は低い。

・一国の中の自由な労働移動によって、貿易財と非貿易財の労働者の賃金は同一になる。

・物の値段は賃金を反映する。

ここで貿易財部門の生産性が上がると、賃金裁定から非貿易財部門の賃金も上がるため、一国全体の物価水準が上がり為替レートも増加する、という話のようです。

では実際に先進国と新興国の物価水準がどうなっているのか見てみます。
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購買力平価

2016年04月26日

為替について何冊か読んだので基本的なことをまとめてみます。長くなりそうなので何回かに分けて書きます。今回は購買力平価についてです。


○ 購買力平価説

同じ物は同じ価格になるという「一物一価の法則」に基づいて為替レートが決まるという説です。
例えば、りんごが日本で100円、アメリカで1ドルで売られていたとすると、りんごを基にした購買力平価は1ドル=100円になります。
もし、同じ物が別の国で違う値段で取引されているのであれば、価格の安い国で購入し、価格の高い国で売ることによって利益を得ることができます。

購買力平価を基にすれば為替レートの動きはインフレ差によって決まることになります。高インフレの国ほど通貨安になるということです。先の例では、インフレによって日本のリンゴが1000円になれば、購買力平価による為替レートは1ドル=1000円となります。

購買力平価の問題としては以下の点が挙げられています。
・輸出入が難しく裁定が成り立たない財やサービスの存在。
・輸送費、関税などの障壁。

購買力平価には問題があるものの、長期で見れば成り立つと考えられています。
Global Investment Returns Yearbook 2012 には1900年~2011年の期間における19か国のドルに対する名目・実質為替レートが掲載されています。名目為替レートは国によって大きく動いていますが、そのほとんどはインフレによるもので、実質為替レートの変化率はプラスにせよマイナスにせよ年率1%以下にしかなっていないとのことです。



また、このレポートには1970年~2011年までの83か国の名目為替レートの変化率とインフレ率(どちらも対US)の散布図も載っています。こちらを見ても為替レートとインフレの相関が強いことが分かります。



購買力平価には絶対的購買力平価と相対的購買力平価があります。

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6425 ユニバーサルエンターテインメント

2016年04月14日

パチンコ・パチスロ大手。フィリピンに巨大カジノを建設中の会社です。

○ 業績

ここ2年は連続して経常減益となっています。今期も減益の予想。

11/312/313/314/315/316/3
売上高 45,019 74,858 99,182 86,760 88,085100,300
経常利益6,64333,36844,87323,62622,05519,200
純利益4,46831,38027,4499,40910,1739,300

今期予想も含めた過去5年間の平均は売上898億円・経常利益286億円です。今期予想は売上1003億円・経常利益192億円。
株価は1846円で時価総額は1500億円くらい。PERは今期予想で16倍、5年平均で9倍くらいになります。

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6045 レントラックス

2016年04月08日

2015年上場のアフィリエイトの会社です。クローズド、完全成果型報酬。アフィリエイターにとっては他社よりも高い報酬がもらえる、広告主にとっては完全成果報酬なので初期費用や月額固定費がかからない、と双方にとって魅力的な条件を提示しているのが特徴のようです。

この辺のサイトがわかりやすかったです。

レントラックスがアフィリエイト初心者におすすめASPである3つの理由

ホリスティック企業レポート

業績は好調です。今期も5割を超える増収増益の予想で、3Qまで8割を超える増収増益となっています。4Qは前年比-21%の経常利益で会社予想を達成できます。

11/312/313/314/315/316/3予
売上高  465  713  924 2,127 3,625 5,626
経常利益177026156269408
純利益-299129113178262


同業の業績です(アフィリエイト以外の売上も含みますが、どの会社もアフィリエイト以外の売上はそれほど大きくないです)。レントラックスの売上は一ケタ小さいですが、経常利益は見劣りしません。

売上高経常利益経常利益率
15年16年予15年16年予15年16年予
レントラックス3,6255,6262694087.4%7.3%
アドウェイズ 35,890 38,000 1,1975803.3%1.5%
ファンコミュ35,78938,0006,179 6,240 17.3% 16.4%
インタースペース20,06521,8263466001.7%2.7%
バリューコマース16,65819,0001,6561,2609.9%6.6%


月次の売上高とパートナーサイト数の前年比は低下傾向です。2月は前年比で+50%少々。ゆるやかな低下が続くのであれば来期も30~40%くらい伸びるのかなという感じです。




株価は一時的な急騰がありましたが全体的には横ばいです。最近やや上がっているかなという状況です。




株価845円で時価総額は62億円程度になります。予想PERは24倍くらい。進捗率の良さと成長率の高さを考えれば割高感はあまりないと思います。

仕組みは良さそうですし、規模的にも拡大余地がありそうです。ただ、クローズドで質の良いアフィリエイターを集めるといった強みは規模が拡大すると厳しくなっているのではという気もします。ホリスティックのレポートでは以下のように書かれていますが。

同社は、約 300 万人と推定されているアフィリエイターの内、同社の基準を満たす優良サイト運営者を 5%程度であると見込んでおり、約15 万人のサイト運営者がターゲットとなる。現時点でのパートナーサイト運営者数が 10,961 名であることを考えると、今後の同事業の拡大余地は非常に大きく、今後数年は現状と同程度のペースで拡大していくことが見込まれる。


伊藤園優先株

2016年04月06日

こちらのブログで伊藤園の普通株と優先株の差が開いていることを知りました。

かい離は去年の11月頃から開き始めて、現在は普通株3440円に対して優先株1967円、優先株が42%も割安となっています。



普通株と優先株の違いは、細かい条件を除くと、議決権がなく配当は25%高くなるというものです。優先株も株主優待はもらえます。
議決権にどれだけの価値があるのかはわかりませんが、両者の価値にそれほど大きな差がつくとは思えません。配当が大きいのでむしろ優先株の方が高くてもいいくらいだと思います。

伊藤園のHPより普通株と優先株の違い


そんなわけで、両者の差がなくなることを前提にした優先株買い-普通株売りというアイデアが思いつきます。この取引のリスクとして思い浮かぶのは下のようなものでしょうか。

・両者の差が永遠に開いたままのリスク。普通株と優先株の差が大きいのはおかしいのですが、かといって両者が絶対に同じ値段にならなければならない理由はありません。

・スプレッドが縮小するのに時間がかかるリスク。2009年に大きなかい離ができたときには、差がなくなるまでに2年以上かかっています。年利換算したときに割に合わなくなる可能性もあります。



・コスト。空売りには費用がかかります。SBIの場合、制度信用取引の金利が1.15%、管理費が1か月あたり1株5銭(建玉毎に対する1ヶ月の上限は1,080円、下限は108円)、逆日歩、があります。
金利と管理費はそれほど大きくないですが、逆日歩は厄介ですね。4月4日は0.1円です。年間で36.5円。伊藤園の株価は3440円なので1%弱に相当します。逆日歩が大きくなると厳しくなりそうです。

グローバル市場でのCAPEレシオの有効性

2016年04月05日

○ CAPE: Predicting Stock Market Returns

各国のCAPEレシオをHPに掲載しているStarCapitalのレポートです。

米国のデータは1881年~2013年の期間で、CAPEレシオの標準レンジは10~24倍、過去の平均値は16.5倍とのことです。このレンジを上回った場合はその後15年~20年の期間で実質リターンは低く、逆に下回った場合はリターンは高くなるとのこと。

グローバル市場での検証は、1979年~2013年の期間、アメリカを含む15か国です。
CAPEレシオの平均値は17.5倍、8倍以下と割安な国のそれに続く15年間の実質リターンは13.1%、32倍以上と割高な国の実質リターンは0%。
長期的に見れば、割安なCAPEレシオのその後のリターンは高く、割高なCAPEレシオのその後のリターンは低くなるとの話です。



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各国株価指数のトレンドとバリュエーションのチェック 3月末

2016年04月01日

3月末の先進国・新興国の株価指数のトレンドとバリュエーションのチェックです。

・株価データはMSCI、CAPEやPERはStarCapital、為替はIMFみずほ銀行より取得しています。
・株価チャートは2007年末を100として作成。月足・配当抜き・現地通貨ベースです。
・取得したCAPE・PER・配当利回りは1月末の数字なので、MSCIの1-3月の騰落率で調整しています。


○ 先進国と新興国

先進国・新興国ともに大きく反発しました。多少の円高に振れていますが、円ベースでも6%以上の大幅なプラスです。
1年間の損益は先進国・新興国ともに依然としてマイナスで、円ベースだと新興国は2割近いマイナスになっています。
PERとCAPEレシオは先進国20倍、新興国15倍前後といった感じです。



CAPE PER 配当 前月比円ベース1年損益円ベース
全世界 19.518.72.6%7.2%6.8%-6.2%-11.8%
先進国20.419.22.6%6.5%6.2%-5.3%-10.9%
新興国14.415.93.0%13.0%12.7%-14.1%-19.2%


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