先進国と新興国の為替レート

2016年04月27日

先進国は新興国よりも物価が高い、経済が発展する国の通貨は高くなっていく、という現象を説明する理論としてバラッサ・サミュエルソン効果というものがあるそうです。

この理論の前提となる条件はこんな感じです。

・貿易財では一物一価が成り立つが、非貿易財では成り立たない。

・国際的な競争にさらされている貿易財の生産性に対して、競争にさらされていない非貿易財の生産性は低い。

・一国の中の自由な労働移動によって、貿易財と非貿易財の労働者の賃金は同一になる。

・物の値段は賃金を反映する。

ここで貿易財部門の生産性が上がると、賃金裁定から非貿易財部門の賃金も上がるため、一国全体の物価水準が上がり為替レートも増加する、という話のようです。

では実際に先進国と新興国の物価水準がどうなっているのか見てみます。
下は economistのHPに掲載されていたビッグマックの値段と1人当たりのGDPのグラフです。
購買力平価が成り立つのであればビックマックの値段はどこの国も同じなので近似線はX軸に対して平行になるはずですが、実際は右上がりで1人当たりGDPの高い豊かな国ほど値段が高くなっています。



次にOECDの購買力平価と実際の為替レートの乖離も見てみます。表は下に行くほどマイナス乖離が大きく米ドルに対して割安ということになります。

先進国はドルに対して±10%ほどの乖離の国が多いです。例外はスイスとユーロ圏で、スイスは+30%とかなり割高、ユーロ圏は-16%と割安への乖離がやや大きいです。

一方で新興国の通貨はマイナスの幅が大きいです。中国の-45.5%はまだ良い方で、それ以外の国々は軒並み購買力平価に対して5~7割ほど低いレートになっています。新興国の通貨は購買力平価に対して割安という傾向があるのは確かなようです。

購買力平価為替レート  乖離率 
スイス1.290.9929.9%
スウェーデン9.038.476.6%
ノルウェー9.178.656.0%
オーストラリア1.441.394.1%
イギリス0.700.700.2%
アメリカ1.00
ニュージーランド 1.421.45-2.0%
日本106.0115.5-8.2%
カナダ1.221.37-11.3%
ユーロエリア0.760.91-16.2%
韓国8921,205-26.0%
中国3.566.54-45.5%
ブラジル1.833.91-53.2%
メキシコ8.2318.07-54.4%
トルコ1.242.94-58.0%
南アフリカ5.5915.84-64.7%
インドネシア4,16713,533-69.2%
ロシア22.5774.65-69.8%
インド17.7867.50-73.7%
※為替レートはIMFから取得した16年1Qのデータです。ニュージーランドのみYahooファイナンスから直近のレートを取得しています。OECDの掲載国のうち小国やユーロ圏の個別国は除外しています。




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