テロと株価

2016年05月11日

大きなテロの後に株価がどう反応したのかを調べてみました。

○ 海外(2000年以降)

事件、死者、負傷者数はwikipediaを参照しました。負傷者数は確定数字ではなく表の数以上という表現が多いです。株価はその国の株価指数を使用しています(S&P500、IBEX35、FTSE100、OSEAX、CAC40、BEL20)。

アメリカ同時多発テロの時はさすがに大きく下げています。しかし、それを除くとマドリード列車爆破テロ事件の-2.2%が最大で、その他は小幅な値動きです。ロンドン同時爆破事件やパリ同時多発テロ事件といった大事件にも株価はあまり反応していません(ただし、ロンドンは前日終値から当日安値まで4%下げているのでインパクトがないわけではありません)。

日付事件死者数負傷者 1日 5日間10日間
2001年9月11日アメリカ同時多発テロ事件27496291-4.9%-11.6%-4.7%
2004年3月11日マドリード列車爆破テロ事件1912050-2.2%-4.2%-6.5%
2005年7月7日ロンドン同時爆破事件56700-1.4%0.3%-0.3%
2011年7月22日ノルウェー連続テロ事件771000.0%-1.9%-13.3%
2015年1月7日シャルリー・エブド襲撃事件12110.7%5.1%8.9%
2015年11月13日パリ同時多発テロ事件130300-0.1%2.1%2.5%
2016年3月22日ブリュッセル連続テロ事件341980.2%0.0%-2.2%





○ 国内

松本サリン事件、地下鉄サリン事件、アメリカ同時多発テロ事件の時の日経平均の動きです。
こちらもアメリカ同時多発テロの時は大きく下げていますが、サリン事件に対する反応は控えめです。

日付事件死者数負傷者 1日
5日間10日間
1994年6月27日松本サリン事件8660-2.2%-1.1%-1.2%
1995年3月20日地下鉄サリン事件136300-0.7%-1.0%-5.4%
2001年9月11日アメリカ同時多発テロ事件30256291-6.6%-6.0%-6.3%





○ アメリカ同時多発テロ

9.11はかなり特殊なケースなので、もう少し詳しく見てみます。
まずは2011年を通した日米株価の推移です。この年は9.11までに軟調な相場が続いていましたが、テロによってもう一段株価が下落しました。しかし、その後は比較的早く底打ちして、10月中にはテロ前の水準に戻しています。



9.11直後の日経平均株価のローソク足を見てみます。米国は17日(翌週の月曜日)まで市場が閉鎖されましたが、日本は通常通りに市場が開きました(ただし、東証の値幅制限が2分の1に縮小されたそうです)。
翌日はローソク足を見ると1.5%安で寄り付いて-6.6%安で終えていますが、日経先物の寄付は-9.3%(10320円→9360円)、日中高値-5.1%、終値-9.7%と大暴落になっています。
続く13日は小幅高(先物は3.4%上昇)、14日も続伸して初日の下落からかなり回復しています。その後は翌週の月曜日に再び5%下げるなどボラティリティが高い値動きになりますが、10月11日テロ前の水準を回復しました。



S&P500のローソク足です。(YahooFinanceのS&P500のデータは前日終値と翌日始値が同じになっている日が多いので寄付は参考にならないと思います)。
市場が開いた17日は-4.9%でした。その後も下落が続き、市場再開後の一週間は-11.6%と大幅に下げています。しかし、その後は順調に切り返し10月11日にテロ前の水準を回復しています。




最後にドル円とロンド金(データはFRED)の値動きです。同時多発テロが起きた直後には円高・金高となりますが、株価と同じくドル円は10月には元の水準に戻しています。金もやや遅れて値を落としています。




全体としてみると、テロが株価に与える影響は小さいかなと感じました。ほとんどのテロは翌日の株価にさえ限定的な影響しかないようです。とはいえ、アメリカ同時多発テロのような世界を震撼させたイベントに対してはさすがに株価も大きく反応しています。




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