電気自動車(EV)関連銘柄

2016年05月28日

個人的に電気自動車(EV)にかなり期待しているので関連銘柄を調べてみました。


○ 完成車メーカー

大手自動車メーカーのEVへの取り組みは、EVsmartブログの電気自動車のメーカー別一覧に詳しくまとめられています。
現在、日産、テスラ、BYDといった会社がEVを生産販売していますが、いずれも航続距離が短いか航続距離は長いけど値段が高いというタイプです。
しかし、今後は航続距離が長く価格の安いEVが発売されるため普及が期待できます。2016年末にGMがシボレーボルト(3万8千ドル、航続距離320km)を、2017年中にテスラがモデル3(3万5千ドル、航続距離350km)を発売する予定です。

投資対象としてはEV専業のテスラか、比較的EVの比率が高いBYDが候補になると思います。ただ、テスラ3.7兆円、BYD2.1兆円とすでにかなり大きな時価総額で評価されています(日産の時価総額が4.8兆円ほど)。EVに期待といっても気軽に手を出しにくい水準です。


・テスラモーター (TSLA)

イーロン・マスクによって設立されたシリコンバレー発の電気自動車会社です。
2015年の販売台数は5万台で40億ドルの売上があります。新型車のモデル3を2017年に発売する予定で、既に予約が37万台に達したそうです。1台3万5千ドルからなので、これだけで最低でも130億ドルの売上になる計算です。

他社との違いとして、テスラは顧客が無料で使える自前の急速充電スタンドを多数設置しています(モデル3が無料対象なのかはまだわかりません)。モデルSやモデルX向けの「スーパーチャージャー」の最大出力は120kWと他の充電器に比べて高く、大型バッテリーを短時間で充電することが可能になっています。

業績は以下のとおり赤字が続いています。時価総額は333億ドル(約3.7兆円)でPSRは8.3倍です。

(10億ドル)2013年2014年2015年16年1Q
売上高2,0143,1984,0461,147
営業利益-61-187-717-248
純利益-74-294-889-282


・BYD (1211.HK)

リチウムイオン電池や自動車(ガソリン車、プラグインハイブリッド、EV)の製造販売を行っている中国の会社です。ウォーレンバフェットが投資したことで有名です。

2015年の自動車販売は38万台(ガソリン車32万台、新エネルギー車5万8千台)でした。自動車セグメントは売上の50%を占めており、新エネルギー車に限ると全体の24%とのことです。売上の90%が中国国内向けです。

中国政府はEVの普及に力を入れており市場が急拡大しています。BYDの業績も昨年は売上40%・税前利益3.3倍と大きく伸びました。2016年1Qも営業利益33%の増益です。
不安を感じさせる要因として、政府の補助金削減、メーカーの補助金不正受給、といったニュースが出ています。

(100万RMB)2013年2014年2015年16年1Q
売上高49,76755,36677,61120,285
税前利益8328733,7941,148
純利益5534332,823850
EPS0.230.181.120.32

BYDのH株の株価は44.75HKドルで実績PERは40倍です。アニュアルレポートによると発行済み株式数はA株1561百万株(株価58RMB)、H株915百万株なので、時価総額を計算すると2.1兆円くらいになります。


○ リチウムイオン電池メーカー

リチウムイオン電池はEVの最も重要な部品です。EVの欠点として挙げられる航続距離や充電時間は電池の問題ですし、車のコストの大きな部分を占めるのもリチウムイオン電池です。

電池メーカーの大手は、パナソニック、LG化学、サムスンSDIです。テスラはパナソニックから(一部車種でLG化学からも調達とのこと)、シボレーボルトはLG化学から調達するようです。日産はAESC(自社とNECとの合弁会社)製ですがLG化学の電池を検討との報道があります。BYDは自社製です。

投資対象としての問題は、各社とも全体の売上に占めるリチウムイオン電池の比率が小さいところです。現時点では他部門の売上が大きいため、リチウムイオン電池の売上が伸びたとしても全体としては期待ほど伸びないかもしれません。


・パナソニック (6752)

テスラと共同でリチウムイオンバッテリーの新工場の建設中です。投資額は5000億円で年間50万台分のバッテリーを製造できるとのこと。

事業部情報によると、エナジー事業部(二次電池事業部、エナジーデバイス事業部、パナソニックストレージバッテリー株式会社)の売上は5397億円で全体の11%ほどです。

株価965円で実績PEは11倍、予想PERは15.4倍です。それほど割高感はありません。

(100万円)2015年2016年2017年
売上高7,715,0377,533,7177,600,000
営業利益381,913415,709310,000
経常利益182,456217,048300,000
純利益179,485193,256145,000
EPS77.6588.4062.47


・LG化学 (051910 KOSPI)

パナソニックと並ぶリチウムイオン電池のトップメーカーです。大手自動車メーカーからの契約を次々と獲得しており勢いがあります。

セグメントは、Basic materials & Chemicalsが最も大きく全体の売上の7割ほどを占めています。Energy solutionsの売上高は全体の15%程度でセグメント利益はほとんどゼロです。

株価275000ウォンでPERは17.5倍、Google financeによると時価総額は18兆ウォン(1.7兆円くらい)となっています。

(100万ウォン)2013年2014年2015年
売上高23,143,61222,577,83020,206,583
営業利益1,743,0441,310,7611,823,568
税前利益1,601,2961,159,8611,549,643
純利益1,265,968867,9241,152,987
EPS17,26111,79815,674


・サムスンSDI (006400 KOSPI)

大手の一角ですが、パナソニックやLG化学に比べると派手な話をあまり見かけません。

セグメントは、Chemical、Electronic material、Energy and otherの3つでしたが、今年に入ってからChemicalセグメントを売却しており、リチウムイオンバッテリーがメインになっています。ただし、営業外の関連会社投資損益(主にサムスンディスプレイからの損益)が大きいです。Energy and otherのセグメントは赤字です。
資産売却の利益・損失があったり、前年は訴訟費用が大きかったりと、PLの数字がちょっとわかりにくいです。

株価108000ウォンでPERは141倍、Google financeによると時価総額は7.5兆ウォンです。

(100万ウォン)2013年2014年2015年
売上高3,428,4625,474,2227,569,331
営業利益-11,31770,818-59,832
税前利益513,176199,36839,059
純利益130,599-83,84853,846
EPS2957-1,458766


・GSユアサ (6674)

大手バッテリーメーカーで、三菱自動車に供給するリチウムエナジージャパン、ホンダに供給するブルーエナジーの親会社です。
リチウムイオン電池の売上比率は全体の10%ほどでセグメント利益は赤字となっています。
株価461円で予想PERは15.9倍くらいになります。

(100万円)2015年2016年2017年
売上高369,760365,610410,000
営業利益20,91421,90924,500
経常利益22,35721,41624,000
純利益10,0439,03012,000
EPS24.3321.8829.07


○ リチウムイオン電池材料の会社

以下のレポートにリチウムイオン電池の関連銘柄が掲載されていました。
ダイワが選ぶ リチウムイオン電池のレポート
車載用途拡大で注目されるリチウムイオン電池

リチウムイオン電池の主要材料は、正極材、負極剤、セパレーター、電解液で、このうち正極材の占めるコストが高いとのことです。
日本の上場企業では、正極材の田中化学研究所とセパレーターのダブルスコープがリチウムイオン電池の割合が高い会社です。その他の会社はリチウムイオン電池関連は全体の一部といった感じです。


・田中化学研究所 (4080)

2次電池向け正極材料専業。リチウムイオン向け製品がメインで、三元系(ニッケル、コバルト、マンガン) 正極材料を基本にしています。
主な顧客への売上には、LG化学、三洋電機、サムスンSDIとメジャーどころが並んでいます。

今期業績は、ニッケルやコバルトの価格急落によりたな卸資産評価損が出て大幅な損失となりました。赤字が連続しており継続企業の前提に関する注記がついています。

(100万円)2015年2016年2017年
売上高12,38415,26617,200
営業利益-393-301500
経常利益-660-574400
純利益-2,663312350
EPS-18921.0523.57

有利子負債は、短期309百万円、長期6864百万円とかなり大きいです。ただ、今期のBSを見ると短期有利子負債が長期に変わっており、財務面では一息ついた感じになっています。

なお筆頭株主の住友化学とは、両社の合意のもとで住友化学が30%まで株式を追加取得することができるという契約を結んでいます。


・ダブルスコープ (6619)

リチウムイオン二次電池セパレータ専業の会社です。売上の伸びは15年66%・16年65%とすごい数字で今期も34%増収の予想です。1Qは71%増収・360%経常増益でした。

連結売上高の57.7%を占めるのは中国市場とのことです。最大の顧客は東莞市旭冉電子有限公司(販売代理店)で、過去の下方修正のIRには東莞市旭冉電子有限公司の顧客は比較的企業規模が小さいと書かれています。ここのところは少し不安要素かなと思います。
ただ、LGグループ向けの販売も伸びており、17年1Qの時点で全体の36%を占めています。

急成長が評価されており、予想PERは44倍とやや高い水準です。

(100万円)2015年2016年2017年17年1Q
売上高4,5227,44810,0002,149
営業利益33219092600812
経常利益69520542500754
純利益5281,8292300556
EPS37.3129.0141.039.2





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