複合バリュー指標でのスクリーニング

2016年07月27日

「ウォール街で勝つ法則」で成績の良かった複合バリュー指標を四季報CDでスクリーニングしてみた感想です。

複合バリュー指標はPERやPBRといったバリュー指標を複数組み合わせたものです。
具体的には、まず単体指標のスクリーニングで対象銘柄をランク付けし、次に指標ごとのランクを合計してその合計点で割安度を判断するという手順です(PER100点+PBR95点+PCER105点=300点といった感じ)。

「ウォーク街で勝つ法則」では以下の3つの複合指標を検証しています。
・その1 : PBR、PER、PSR、EV/EBITDA、PCFR
・その2 : その1 + バイバックイールド(発行済み株式の変化率)
・その3 : その1 + 株主利回り(バイバックイールド+配当利回り)

四季報でバイバックイールドをスクリーニングしたところいくつか異常値が出てきたので、今回は配当利回りを代わりに使ってスクリーニングしてみました。PBR、PER、PSR、EV/EBITDA、PCFR、配当利回りの複合指標になります。
以下が上位48銘柄です。





ざっと見た感想ですが、良い点は指標(というか計算式)の欠陥で誤ってランクインする銘柄が少ないというところです。
例えばEV/EBITDA(時価総額+有利子負債-現金同等物)/(営業利益+減価償却費)という指標でスクリーニングすると日本郵政が上位に出てしまいます。これは上の計算式だと貯金や保険契約準備金といった項目が有利子負債としてカウントされないため、EVが過大評価されてしまうためです。前受金の大きい資格学校なども同様です。
複合バリュー指標の場合は複数の指標で割安度をチェックするので、このような意図と違ってランクインしてくる銘柄が少なくなります。

一方で微妙に思えたのは、だいたい同じような傾向の銘柄、具体的には成長性のない地味株ばかりが抽出されてしまうかなという点です。上位48銘柄の売上成長率を見ると、10%を超えているのは1銘柄だけで過半数を超える25銘柄は減収予想となっています。
これはスクリーニングに使用した指標の組み合わせから必然的に起きてしまうのだと思います。例えばPSRとPERが共に低い銘柄というのは利益率が低い銘柄ですし、PBRとPERが共に低い銘柄はROEが低い銘柄です。今回の組み合わせだと高収益の優良株や配当を出さない成長株はPERやEV/EBITDAが低くても上位にランクインすることができません。

「ウォール街で勝つ法則」では複合バリュー指標の成績は良いのですが、この指標の組み合わせだと地味株に偏っていて万年割安株リスクが大きい気がしました。
このような注目の薄い地味株ほどリターンが良いのかもしれませんが、個人的には多少なりとも業種や成長率や会社の質を考慮したいかなと思いました。まあ、質を考慮したからといって成績が良くなる保証もないので、単に僕の好みというだけですが。

なお、スクリーニングに使った計算式は下記のとおりです。
・PBR ・・・ 週足終値÷前期1株あたり純資産
・PER ・・・ 週足時価総額÷(今期経常利益×0.6)
・PSR ・・・ 週足時価総額÷今期売上高
・EV/EBITDA ・・・ (週足時価総額+前期有利子負債-前期現金同等物)÷(今期営業利益+前期減価償却費)
・PCFR ・・・ 週足終値÷前期1株あたり営業キャッシュフロー
・配当利回り ・・・ 今期1株あたり配当÷週足終値




最近の記事