03933(香港) 洛陽モリブデン

2017年05月29日

中国のモリブデン最大手。他にタングステン、銅、コバルト、金などの生産を手掛けている会社です。

2016年にフリーポートマクモランよりコンゴ民主共和国の銅・コバルト鉱山 Tenke Fungurume を取得というビッグニュースが出ています。これにより銅生産が大幅に増加、コバルト生産は世界第二位となりました。

ちなみに2016年の世界の銅需要は22.45百万トンでトップの Codelco の生産量が1.8百万トン、世界のコバルトの需要は100.1千トンでトップのグレンコアの生産量が28.3千トンとのことです(各社のアニュアルレポートより)。
洛陽モリブデンは2017年の Tenke の生産量として銅219千トン、コバルト18千トンを予想しています。

コバルトはリチウムイオンバッテリーの正極材に使われる金属で、EVの普及に伴い需要増加が予想されています。特徴は Cobalt Is Keeping Battery Makers Awake At NightCobalt Miners Set To Boom に書かれています。

・ほとんど(約97%)のコバルトは銅やニッケルの副産物として生産される。

・世界の生産量の6割をコンゴが占める。政治リスクあり。

・バッテリー用途はコバルト消費の49%を占める。

また、A Look At The Impact Of Electric Vehicles On The Nickel Sector で著者は、リチウムイオン電池に使われる主要金属のリチウム、コバルト、ニッケル、グラファイトのうち、コバルトはリチウムに次いでEV普及による需要の恩恵を受けると予想しています。

コバルト価格はここ数年低迷していましたが2016年末から急騰しています。




過去5年の会社の業績はこんな感じです。(単位:100万RMB)

2012年2013年2014年2015年2016年
売上高7,0217,6486,6624,1976,950
税前利益2489012,1486831,190
純利益161481,824761998

2016年の製品別の売上と利益はこちら。Tenke の買収完了は昨年11月のため今期の売上・利益は大幅に増えるはずです。

売上コスト利益
モリブデン・タングステン関連 2,816 1,512 1,304
銅・金関連1,3811,014368
ニオブ関連411307104
リン関連730585145
銅・金関連(コンゴ)1,296996300
その他1649173

会社発表の Tenke の銅生産は219,000トン、コバルト生産は18,000トン、C1コストは0.98~1.09ドル/オンスです。銅価格を2016年の平均価格である5,504ドル/トン、コバルト価格を現在の25ドル/トンとして単純に計算すると、C1コスト控除後の利益は1,671百万ドル・11,480百万RMBとなります。
2016年の営業利益が751百万RMBなので Tenke 買収のインパクトは非常に大きいです。

実際に1Qの業績は、売上高5,783百万RMB(前年1,157百万RMB)、純利益597百万RMB(前年118百万RMB)と大幅な増収増益となっています。EPSは0.04中国元。Tenka は53,883トンの銅と3,587トンのコバルトを生産したとのことです。

なお、この会社の筆頭株主は国有企業(state-owned legal person)の洛陽礦業集團有限公司で31.56%を所有しています。第2位の鴻商產業控股集團有限公司は私営の投資会社、3位の香港中央結算(代理人)有限公司はunkownとの記載です。4位以下の株主の所有割合は低いです。


〇 感想

1QのEPSを単純に4倍すると0.16中国元で、株価2.55香港ドルなのでPERは15~16倍くらいになります。1Qは銅やコバルト急騰の影響も反映されているので、これ以上の価格上昇がなければ妥当な株価水準なのかなと思います。

上でも触れられていましたが、コバルトは銅やニッケルの副産物として採掘されるためコバルト専業の会社は少ないです。Top 5 Cobalt Miners To Consider で洛陽モリブデンの他に、Glencore、Sherritt International、Katanga Mining、Fortune Mineralsといった会社が挙げられていますが、いずれもコバルト専業ではないようです。

洛陽モリブデンは専業ではないもののコバルトの比率は低くないですし、中国株として各社で取り扱いがあるので、簡単に買えるEV関連銘柄として良いかなと思いました。




最近の記事