リーマンショック後の日本株のファクターリターン

2017年06月17日

以前に日本市場のファクターリターンを調べたとき、リーマンショックの頃からバリュー効果が弱くなっているのが気になっていました。そこで今回は2009年からのファクターリターンをもう少し詳しく見てみます。

まずは1990年以降の各ファクターのリターンです(ケネスフレンチ教授のデータベース、クオリティファクターはAQR)。トータルではバリューファクター(HML)のリターンが圧倒的に良いです。



しかし2009年を起点にすると様子がまったく違ってきます。成績が良いのはサイズ(SMB)と収益性(RMW)ファクターで、バリュー(HML)ファクターのリターンはマイナスになっています。




次にラッセル野村インデックスで小型株効果とバリュー効果を見てみます。

まずはサイズ別のリターンです。トップ、ミドル、スモールコア、マイクロの4グループで、左側のグラフが2009年を起点としたもの、右側のグラフが2000年を起点としたものです。

グラフからわかるように小型株効果はどちらの期間も有効です。2009年以降はマイクロキャップとスモールコアの差がないものの中型や大型に比べると高いリターンが出ています。



続いてバリュー効果ですが、こちらは2009年以降(左のグラフ)に限るとまったく機能していません。



最後にサイズ&バリューも見てみます。
2000年以降の期間ではマイクロ&バリューとスモール&バリューの圧勝となっているのですが、2009年以降はマイクロ&バリューが最も高いリターンではあるもののスモール&グロースとの差はあまりなく、必ずしもバリュー優位ではなくなっています。



最初のグラフを見るとバリューファクターは90年代にも成績が悪い時期がありました。ただ、それに比べても今回の低迷期間(9年目)は長いなと感じます。
アカデミックの世界では10年くらいの期間では短すぎて何も言えないということになるのでしょうが、実際問題として10年間成績が悪い戦略を使い続けるのは難しいと思います。もっと短期間で確実に成績が出る戦略が欲しいというのが本音でしょう。

現状で小型バリュー投資家は小型株効果に助けられていますが、これもいつまで続くかわかりません。安定した超過リターンを得るというのはなかなか難しいなと感じました。




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