EV/EBITDAの有効性

2017年07月24日

Four Decades Of Data Show EBITDA Is The Best Valuation Metric

他の指標と比較して EV/EBITDA が最も効果的だったという文献が2つ紹介されています。


ひとつめは2017年発表の EBITDA, EBITA, or EBIT? です。

1987年~2016年の期間で EV/EBITDA、EBITA、EBIT の成績を比較しています。対象は金融と超小型株(25百万ドル)を除いた銘柄です。

結果は、EBITDA → EBITA → EBITの順に有効性が高かったとのことですが、特に金融危機後は EBITDA の優位性は落ちているそうです。


ふたつめは Analyzing Valuation Measures: A Performance Horse-Race Over the Past 40 Years です。(著者は Alpha architect というブログもやっており、文献の内容はブログのまとめ記事の方が詳しいです。)

1971年~2010年の期間で、E/M(PER)、EBITDA/TEV(total enterprise value)、FCF/TEV、GP(Gross profit)/TEV、B/M(PBR)の5指標を比較。対象銘柄は時価総額が10thパーセンタイル以上の銘柄とのことです。

結果は、TEV/EBITDA がベストの成績で、上位1/5グループの年間リターンが17.66%、下位1/5グループの年間リターンが7.97%で、割安群と割高群のスプレッドは9.69%になっています。



また、彼らの著書では1964年~2011年の期間の成績を調べているそうで、こちらはEV/EBITが含まれており、この指標の成績が最も良くなっています。



さらに著者はフォローアップとして2011年~2015年の成績も調べています。UPDATE ON THE VALUATION METRIC HORSERACE: 2011-2015



この期間ではバリュー指標が全体として機能していないうえ、EV/EBITDAの1-5群スプレッドはマイナスリターンになってしまっています(割高株の方が成績が良い)。


EV/EBITDA の成績が良いというのは「ウォール街で勝つ法則」でも同じです。
下のグラフは、この本で検証されている各バリュー指標の上位10%の年間リターンを抜き出して比較したものです。単一の指標ではEV/EBITDAのリターンが最も高いです(Value comp は複数のバリュー指標を合成したもの)。




ただ、どの指標が良いかは期間、対象銘柄、条件によって変わってくるので、そこまで絶対視する必要はないと思います。
たとえば、「ウォール街で勝つ法則」の結果も全銘柄ではなく大型株で見ると、自社株買い利回りや株主利回り(自社株買い+配当の利回り)がトップの成績になります。
重要なのは全体的に見ればどの指標を使っても市場平均を上回るという点かなと思います。(金融危機以降はバリュー指標全体が機能していないのが気になるところではありますが。。。)




なお、個人的にはスクリーニングのしやすさや業種の偏りの少なさからPERが好みです。市場の注目度も高いですし、割安度を見るには使いやすく欠点の少ない無難な指標だと思います。




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