政策金利と株価

2010年01月10日

■ 利上げ・利下げ期間の株価リターン

上のグラフは期間中のリターンで、下のグラフはそのリターンを年率換算したもの。下のグラフの一番右の「平均」が利上げ・利下げ全期間の年率換算リターンとなる。

X軸の年度は利上げが開始された年数。1回の利上げ&利下げをセットで1サイクルとしている。50年に金融引締が始まり、金融緩和を経て、55年に再び金融引締が始まったという趣旨。
ちなみに利上げ期間の合計は403か月で、利下げ期間の合計は348か月だった。それほど大きな偏りはない。

金利は、1993年3月末まで公定歩合、それ以後はFFレートを使用している。株価はロバート・シラー教授のHPからダウンロードしたS&P500の名目値を使用。いずれも月次データ。





1950年~2009年までの期間では、利上げ期間の年率リターンが2.8%、利下げ期間の年率リターンが11.7%だった。通説どおり、利下げ期間のリターンが圧倒的に良い。

しかし、2000年以降は事情が変わり、利上げ期間がプラスのリターン、利下げ期間がマイナスのリターンになっている。


1950年~2009年末までの政策金利と実質S&Pの推移が下のグラフ。政策金利と株価の関係については、こちらを見た方が直感的にわかりやすい。



1970年~2000年までの期間では、金利と株価がみごとな逆相関になっている。ただし、これは金利と株価の関係というよりもインフレと株価の関係と考えた方が妥当だと思う。

利下げが株価にプラスというのは直感的には納得しにくい。
政策金利を下げるのは景気が悪くなったからで、景気が悪ければ株価も下がると考えるのが普通だろう。2000年以降はまさにそのような動きになっているが、こちらの方が理屈としてはシンプルに感じる。

個人的な感想としては、金融政策は重要なシグナルのひとつではあるが、その神通力は、FRBへの信頼感、実際に景気がコントロールできるか、それまでの株価の値動き、などの要因に左右されるのではないかと思う。それほど絶対的とは思えない。



■ 利下げ・利上げ開始前後の株価

金融政策が転換し、利下げ・利上げが開始された月の前後1年間の株価の値動き。データは1950年以降の16回の平均値。
X軸のtが利下げ・利上げ月にあたる。棒グラフは単月の損益、線は累積の損益曲線。





利下げ開始は明確な強気シグナルになっている。利下げ開始後1年間のリターンは約15%ほど。

利上げを開始した翌月のリターンははっきりと悪い。ただ、3ヶ月後にはプラスに戻り、以後もプラスのリターンが続いている。利上げ開始前と開始後を比べると、株価の勢いは落ちてはいるがマイナスになってはいない。




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