BRICsと東南アジア諸国のマクロ経済指標 (長期)

2011年06月11日

BRICsと東南アジア諸国のマクロ数字。
データはJETROからダウンロードした。また、資本収支は経常収支と外貨準備増減から計算している。


(BRICs)

・中国

優秀な数字が並んでいる。成長率は高く低インフレ。貿易黒字で資本の流入も管理されている。外貨準備は増加しており、対外債務比率は低い。1人あたりのGDPもいまだ低い。唯一の問題点は、固定資本への投資がGDPの4割以上を占めているところ(先進国であれば個人消費が6~7割を占める)。




・インド

成長率の高さ、1人あたりGDPの低さ、人口の多さという潜在力は魅力的だと思う。国際収支は慢性的な貿易赤字をサービス収支と経常移転収支 (出稼ぎ労働者の送金など) が埋めるという構造となっている。なお、インドは原油を輸入に頼っているとのこと。インフレ率がやや高く、資本の流入も不安定な時期があったりと、中国と比べるとやや不安定感がある。




・ブラジル

1人あたりGDPが高く、成長率も中国やインドほどではない。国際収支は貿易収支の黒字を所得収支と経常移転収支が打ち消すという形になっている。インフレ率も対外債務も資本収支もおおむね穏やかな数字で安定している国だと思う。




・ロシア

インフレ率が高く、経常収支や資本収支の数字も大きい。マクロ数字に不安定感がある国だと思う。1人あたりGDPも高い。




BRICsではやはり中国が本命だと思う。成長率、潜在力、安定性と図抜けている印象がある。インドはやや不安定さがあるものの、人口の多さと所得の低さという潜在力は魅力的だと思う。
ブラジルとロシアは、中国やインドと比べると人口も少ないし所得もすでに多い。ロシアはさらに経済の不安定感がマイナスだと思う。


(東南アジア)

・タイ

インフレも経常収支も安定している。ただ、中国やベトナムに比べると成長率は低い。




・マレーシア

経常収支の値が異常に大きい。なぜ?(データに問題があるのかも・・・)。物価は比較的安定しており、成長率もまあまあ。ただ、1人あたりGDPは他の東南アジア諸国と比べても高い。人口も2800万人と少なめ。




・インドネシア

人口が多く、成長率も高いのだが、マクロ経済は不安定な感じ。インフレ率が高く失業率も高い。外貨準備も少なめ。




・フィリピン

インドネシアほどではないが、こちらもインフレ率・失業率が高くマクロ経済は不安定な感じがする。ただ、トレンドとしては改善が続いているようだ。




・ベトナム

成長率が高く、1人あたりGDPも低い。ただ、数字自体はインドとそれほど変わらない。ベトナムはマクロ数字が不安定なのが問題だと思う。経常赤字を補うために海外から資本を呼び込んでいるが、07年08年にはその金額が制御できないほど大きくなってしまった。08年にはインフレ危機を起こしているし、対外債務の水準も他の新興国と比べて高い。リスクの高い国だと思う。




東南アジア諸国では、タイ、マレーシアのマクロ数字が比較的安定しており、インドネシア、フィリピン、ベトナムが不安定という気がする。が、将来性という点では不安定の3国の方が魅力的に見える。




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