2015年1月時点の投資スタンス

2015年01月19日

あっという間に1月も半分以上が過ぎてしまいましたが、今年の相場観について書いてみます。


①バリュエーション

現在の日経平均のPERは実績16倍・予想15.5倍で、S&P500は(S&PのHPの数字をつかうと)実績17.3倍・予想15.4倍となっています。どちらも過去の平均レベルだと思います。

ただし、5年平均利益を使った実績PERで見るとどちらも数値が上がり、特に日経平均はPER30倍近くとかなり割高感が出てきます。これは企業の利益率が過去最高の水準に達してしまっているためです。

つまり現在の数字は表面的には平均レベルですが、利益率の改善による増益効果が期待しにくい一方、もしリセッションが起きた場合は売上の減少・利益率の低下・PERの下落によるトリプルショックの暴落が起こる可能性があり、潜在的にはやや割高な状況だと考えています。






一方で経済環境はバリュエーションにプラスです。
Global Investment Returns Yearbook 2013 によると、過去のデータから米国PERはインフレ率が低位安定しているときに最も高い値となっているそうです。これはインフレが低位安定している時代には経済環境が良いことが多いからでしょう。



現在の米国の消費者物価指数は1~2%程度と、過去の例からはPER18倍と最も高い値が許容される位置にいます。
日本の場合は消費税増税の影響があって上振れしていますが、全体的にはデフレからマイルドなインフレというトレンドなので米国と同じく良い環境だと思います。



そんなわけで、リセッションがないと仮定すれば現在の予想15~16倍前後のPERはおおむね妥当~やや割安で、ここから1割程度上昇しても平常の範囲内と言えると思います。もちろんPERは市場参加者の気分次第なので、理由もなくここから1割2割下がってもおかしくないでしょうが。


②経済見通し

アメリカ経済については Calculated Risk というブログを見ているのですが、2015年の経済見通しについて楽観的で実質GDP成長率は3%以上のプラスになるだろうと書いています。
好材料として、住宅セクターの回復、政府の財政引締の終了、家計のバランスシートの改善、負債削減の終了、原油安による個人消費を後押し、などが挙げられており、マイナス要因としてはドル高による輸出減少といった具合です。
How much will the economy grow in 2015?

日本経済の状況ですが、足元では悪い経済指標が多いです。
ピークからの景気動向指数の一致指数の悪化は5.7ポイントと前回景気後退時の6.9ポイントの悪化に近い数字、先行指数は9.0ポイントの悪化で前回の3.7ポイントの悪化を大きく上回っています。駆け込み消費の影響があったとはいえ、下落幅を見ると景気後退と認定されても不思議でない現状です。


※水色の部分は景気後退期間

ただし、景気動向指数が悪化しはじめてから11月までに8~11カ月が経過しています。戦後の景気後退の平均期間は15か月(ただし30カ月を超える景気後退も2度ある)ほどで、かつ株価は景気後退が終わる前に上昇し始める傾向があることから、今回の景気動向指数の悪化も平常の範囲であるならば足元の停滞はそれほど気にする必要がないと思います。

良い材料として、消費税増税の延期、金融緩和の継続、法人税の減税、原油安、円安、と揃っているので、海外が大崩れしない限り近い未来に景気は回復を始めるのではないかと楽観しています。というか、これでも景気後退が続くのであれば、日本経済はかなりまずい状態だと思います。

問題は基礎的な成長率が低いところでしょう。
2015年の実質成長率の予想は1%台前半から後半といったところで、仮にインフレ率1%を達成したとして名目成長率は2~3%少々しかありません。米国の5%(実質成長3%+インフレ2%)と比べると基礎的な実力が低いのでどうしても為替などの外部要因に振り回されてしまいます。


③株価の予想

5年や10年利益を使ったPERは割高ですが、これはリセッションにならないと顕在化しないリスクだと思ってます。欧州や中国が大崩れしない限り、大暴落のリスクは低いと思います。あと、急激な円高もまずいですが、日銀の金融緩和継続とFRBの量的緩和終了でそのリスクも低そうです。一方で、利益率の向上による増益効果が難しいことから大幅な値上がりというのも(さらなる急激な円安を除けば)期待しにくいかなと考えています。

企業の増益分だけ株価が上がるというのを基本に、もしPERが上昇したらラッキー、というスタンスで今年の株式投資をしていきます。



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