Global Value: How to Spot Bubbles, Avoid Market Crashes, and Earn Big Returns in the Stock Market

2015年07月22日

以前に紹介した A Quantitative Approach to Tactical Asset Allocation の著者 Mebane Faber がバリュエーションについて書いた本です。

主にPERとCAPEレシオ(景気循環を調整したPER)について書かれており、特に米国株だけではなくグローバル市場でのCAPEレシオの有効性を調べているのが特徴です。
その他にも、CAPEレシオへの批判やPERとインフレの関係といった話があります。最後の方では、CAPEレシオを使った各国株価指数への取引システムを紹介しています。

全部で75ページの短い本で文章も読みやすかったです。書かれている内容も紹介しているシステムもあいまいな点がなく実用的だと感じました。また、何か主張をするときはこれこれこういう研究があるときちんと根拠やソースを書いており信頼感があります。

3章 The CAPE Ratio

CAPEレシオは景気循環をならした(5年~10年)利益を使ったPER。ベンジャミン・グレアムとデビッド・ドットの発案で、ロバート・シラーが広めた。

高いCAPEはその後の低リターン、低いCAPEはその後の高リターンをもたらしている。




4章 Valuation And Inflation

インフレが1~4%のときが "comfort zone" で、高インフレやデフレの期間に比べて投資家はバリュエーションプレミアムを払っている。



参考資料として以下の3つを挙げている。
・King of the Mountain. by Rob Arnott of Research Affiliates
・Unexpected Returns. by Ed Easterling
・Bull's Eye Investing. by John Mauldin
Bull's eye investing は読んでいないのでわからないが、他の2つはいずれも米国市場の検証。グローバル市場に適用できるかはよくわからない。


5章 Criticisms Of The CAPE Ratio

・CAPEの測定期間は長すぎる
1年~30年を使って測定してもほとんどの期間はよく機能する。

・会計基準の変更などがあるため過去の数字と比べることはできない
シーゲルが The Shiller CAPE Ration: A New Look でこの問題について調査している。彼によると、1990年代の会計方針の変更(会社は資産価格が下落したときに償却損を計上しないといけないが、資産価格が上昇しても売却するまで利益を計上できない)によってCAPEレシオの数字が押し上げられているとのこと。



著者は、どちらの数字も正しいがたぶんシーゲルの方が一貫しているだろうと書いている。また、どちらのCAPEレシオを使っても現在の株価が割高なのは同じだとも言っている。(でも、グラフを見るとシーゲルの数字を使うと割高感がかなりなくなってしまうように見える・・・)

・深刻な景気後退がCAPEを割高に見せる。
2008年~2009年の利益を横ばいで計算しても、現在のCAPE25倍が23倍になるだけでそれほど変わらない。


7章 Does The CAPE Ratio Work Globally?

44か国のドルベースのリターンを検証。Global Financial Data と Morningstar その他の発見できるだけのデータを使ったとのこと。期間は多くの国で70、80年代から。

均等ウェイトの世界CAPE(10年)の推移



CAPEとその後10年の実質リターン。米国と同じで高CAPEはその後の低リターン、低CAPEはその後の高リターンとなっている。




9章 A Global Stock Trading System

1980年~2013年の期間での低CAPEレシオのローテーション戦略。低CAPEの国(下位33%と25%)に投資して毎年リバランス。
比較しているのは、MSCI EAFE、各国に均等投資バイ&ホールド、低CAPEのローテーション、フィルター付き(CAPE18以上の国には投資しない)低CAPEのローテーション。





割安な国の成績はバイ&ホールドを上回ったのに対して、割高な国はバイ&ホールドを下回った。
フィルターを入れることで、最大ドローダウンとボラティリティは低下した。




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