株式投資のリスク

2015年08月22日

株株式投資のリスクはどれくらいなのか?という話です。


○ マイナスリターンの年

リスク=損をすることというのが一般の人の考えだと思うので、まずは年間でマイナスリターンになる確率がどれくらいあるのか見てみます。

下のグラフは1950年~2014年までの日経平均の年間リターンの分布です。
65年のうちマイナスリターンになったのは24回で全体の37%でした。-10%を超える損失が15回で全体の23%、-20%を超える損失が6回で全体の9%、-30%を超える損失が2回で全体の3%でした。
おおよそですが、3年に1度マイナスの年があり、5年に1度10%を超える損失が、10年に1度20%を超える損失があったということになります。



次にアメリカのS&P500の損益分布です。
こちらは日経平均よりも極端な損失や利益が少なく、中央寄りにきれいに分布しています。
65年のうちリターンがマイナスになったのは17回で全体の27%、-10%を超える損失が11回で全体の17%、-20%を超える損失が3回で全体の5%、-30%を超える損失が1回で全体の2%でした。
4年に1度マイナスの年があったものの、20%を超える損失は20年に1度しかなかったということになります。




○ ドローダウン

次に株式投資をしていて最大でどれくらいの損失が出たのかを見てみます。

下のグラフはS&P500の月足を使ったドローダウンチャートです。
それぞれの谷の深さは株価の直近ピークからの下落率を示します。谷から0%に戻ると、損失をすべて回復して新高値をつけたことを意味します。

1950年以降のS&P500の場合、40%を超える損失が3回あり、そのうちの2008年は50%を超える損失を記録しています。30~40%の損失は1970年と1987年の2回です。
1970年、1974年、2002年、2009年はいずれも景気後退の前後にあたります。1987年はブラックマンデーの影響です。




日経平均の月足ドローダウンです。
バブル崩壊までの大きなドローダウンは1950年と1965年に2回ありました。70~80年代のオイルショックは比較的うまく切り抜けています。

一方でバブル崩壊後はひどい惨状で、高値を回復しないまま損失が拡大しています。グラフではわかりませんが株価の山と谷の差を見ると、89年12月~92年7月が-59%、96年4月~98年10月が-40%、00年3月~03年4月が-61%、07年6月~09年2月が-58%、と短期間に4度の大幅下落が起きており、そのうち3度は60%前後の損失です。




○ 株価の長期低迷期

最後に株価が長期にわたって低迷した時期の年足チャートを見てみます。それぞれ、名目株価・実質株価・配当込み実質株価の3つをチャートにしています。


・S&P500 1929~1947年

大恐慌~第二次世界大戦後までの時期です。
1929年に株価が暴落した後、23年~36年にかけて戻しますが、37年から再び下落に転じ47年まで低迷が続いています。この時期はデフレ傾向だったので名目株価と実質株価は同じような値動きになってます。

ただし配当込の株価を見ると、35年に元本を回復しその後も多少の落ち込みはありますがリターンを伸ばしています。この期間は配当利回りが高かったため、配当再投資の効果が十分に発揮されています。




・S&P500 1966~1981年

インフレによる低迷期です。
名目株価は横ばいで73~74年を除き余り下げていませんが、高インフレのため実質株価は16年で半分以下にまで落ち込みました。配当を含めても2割の下落です。インフレの厳しさが良くわかります。




・S&P500 2000年~2012年

ITバブル崩壊とリーマンショックの時期です。2008年に底を打っていますが2012年(2013年の年初)までのチャートです。
2013年の年初の時点で名目株価はピークを抜けています。実質株価は25%ほど下ですが、配当込みの指数もピークをほぼ回復しています。

ITバブル絶頂期の株価が比較対象とはいえ、21世紀のアメリカ株ですら12年も横ばい(もしくはマイナス)が続くことがあるというのはなかなか厳しい現実です。

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・TOPIX 1989~2014年

バブル崩壊以後に長期低迷している日本株です。
デフレ傾向が続いていたため名目株価と実質株価はほとんど変わりません。また日本株は配当利回りが低いため、配当込みで見てもほとんど救われていません。

バブル崩壊から25年経ちましたが、名目・実質株価はピークの5割程度に低迷しています。配当込でも依然として3割ほどの下落です。2011年末が底で名目・実質株価はピークの1/4しかありませんでした。

ただし、バブル崩壊直後の90~92年を除けば、この20年間は横ばいだったともいえます。あまり救いになりませんが。



※配当利回りは、97年までは財政金融統計月報2000年3月金融・証券特集、98年からは東証HPよりデータを取得しています。


以上をまとめると、株式投資で年間リターンがマイナスになるのは3~4年に1度で、40~60%の損失を受けることもあり、ときに10年以上にわたって株価が低迷することもある、というところでしょうか。この見返りとして長期的に年間5%前後の実質リターンを得ることができます。
こうして文字にするとリスクが大きくて正直あまり魅力的に聞こえませんね・・・。




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