日本株のサイズ・バリュー・モメンタム効果

2016年06月13日

ケネス・フレンチ教授のデータベースにある日本株のサイズ・バリュー・モメンタムのリターンをグラフにしてみます。
サイズとバリューのリターンは1990年7月から、モメンタムは11月からです。



・Mkt-RF・・・マーケットのリターン-リスクフリーレート

・SMB・・・スモール・マイナス・ビッグ。時価総額の上位90%と下位10%のロングショート。小型株効果です。

・HML・・・ハイ・マイナス・ロー。PBRの上位30%と下位30%のロングショート。バリュー効果。

・WML・・・ウィナー・マイナス・ルーザー。直近1か月を除く過去12か月のリターンの上位30%と下位30%のロングショート。モメンタム効果。

一目見てわかるようにバリュー効果が圧倒的です。モメンタムはほぼニュートラル。サイズはマイナスとなっています。
ただし、バリューはリーマンショックのころから横ばいで推移しています。そこで2009年(2008年12月を100とする)以後のリターンもグラフにしてみます。

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バリュー投資は1990年以降の日本市場でも利益

2015年12月02日

Performance of Value Investing Strategies in Japan’s Stock Market
香港科技大学のビジネススクールが2013年に出したペーパーのようです。1975年1月~2011年12月の期間を対象に日本市場でのバリュー指標の有効性を調べています。

・調べている指標は、PBR、配当利回り、PER、PCFR、レバレッジトゥプライスの5つ。

・マーケットデータはDatastream、会計数字はWorldscope。

・時価総額の下位3分の1を除く。マイクロキャップや小型株は対象外ということになります。

・1か月ごとに並べ替えて5つのポートフォリオを作成。

・時価総額ウェイトと均等ウェイトポートフォリオのリターンを計算。

バリュー系の4指標はどれもきれいに機能しており、最も割安なグループのリターンは月1%を超えるという結果です。
また、1990年から2011年にマーケットが62%落ちた期間においても、PBR、配当利回り、PER、PCFRはそれぞれ377%、325%、1617%、991%の累計リターンを出したとのことです。





日本株の規模・割安株効果

2015年10月30日

ラッセル野村スタイルインデックスのほかに日興株式スタイルインデックスのデータも取得できることを知ったので、それらをグラフにして日本株の規模効果と割安株効果をチェックしてみます。

まずは規模別のリターンです。日興株式インデックスには1980年1月からのマイクロキャップのデータも掲載されているのでそれをグラフにしてみます。
スタイルは時価総額で区分されており、超大型が上位70%、中型が上位70%~85%、小型ノン・マイクロが下位2%~15%、マイクロが下位0%~2%、とのことです。
1980年1月~2015年9月までの期間ではマイクロキャップが他の3つを圧倒的に引き離しています。



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サイズ・バリュー・モメンタムのリターン

2015年09月19日

前回の記事でロングショートのマーケットアルファはちょっとわかりにくいと書いたので、今回は米国株のサイズ・バリュー・モメンタムの単純なリターンを見てみます。
データは Fama & French のファクターモデルで有名な Kenneth French 教授のHP にて公開されています。

以下でサイズ・バリュー・モメンタムの10分位のリターンをグラフにしてみます。均等ウェイトのポートフォリオ、幾何平均リターンで、1927年~2014年・1964年~2014年・2000年~2014年の3つの期間です。1964年を起点にしたのはちょうど50年間で区切りが良い、2000年を起点にしているのは直近の成績を知りたいという理由です。特に深い理由ではないです。

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The role of shorting, firm size, and time on market anomalies

2015年09月18日

「ウォール街のモメンタムウォーカー」で何度か引用されていた Isreal と Moskowitz の The role of shorting, firm size, and time on market anomalies を見てみました。

各アノマリーにおけるショートポジションの重要性、サイズ別のバリュー・モメンタム効果、期間別のアノマリーリターンの分析といった内容ですが、サイズ・バリュー・モメンタム単体のシンプルな成績も掲載されています。
米国株のほかに、英欧日の株式、株価指数インデックス、通貨やコモディティといった他の資産クラスの検証もありますし、バリューアノマリーの補足としてE/P、C/P、D/P、短期リバーサル、バリュー合成指標の成績も付録に掲載されています。2013年に発表された研究のため検証データも2011年末までと新しいです。各アノマリーの効果を詳しく知ることができる内容だと思いました。

しかしながら、この論文に限った話ではありませんが、アカデミックな研究と実際の投資家感覚のズレも感じました。
下の4つのグラフは最初に出てくるアメリカ株を対象にしたサイズ・バリュー・モメンタム効果の累積リターンです。左上がロングショートポートフォリオ、左下がロングショートポートフォリオのCAPMアルファ、右上がロングオンリーポートフォリオ、右下がロングオンリーポートフォリオのCAPMアルファとなっています。
4つのグラフのうち、普通の投資家であればロングオンリーポートフォリオの成績に注目すると思います。しかし、アカデミックの研究ではロングショートのCAPMアルファを規準にすることが多い感じです。



で、ベータで調整するアルファの成績とロングオンリーのリターンは一致しないことがあります。
下はサイズ・バリュー・モメンタムの10分位数のリターンの一覧表です。Raw excess (Tビルを引いた超過リターン)はそれぞれ直線的に増加しており、小型株ほど、バリュー株ほど、モメンタムが強いほどリターンが高くなっているのがわかります。
しかし、サイズとバリューのシャープレシオは平坦で、アルファのT検定は有意ではないレベルです。



「ウォール街のモメンタムウォーカー」には、Isreal と Moskowitz の研究によると”小型株プレミアムは、全期間においても、4つの20年期間のどの期間においても有意性はなかった”と書かれていますが、これはシャープレシオやアルファの数字を指しているのだと思います。
しかし、ボラティリティやベータは大切だと思いますが、小型株をロングしたときの単純なリターンは市場を上回っているわけで、普通の投資家にすればそちらの方がロングショートのアルファよりも重要な話なのではと感じてしまいます。

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