リチウムの需要と供給

2017年02月07日

EVの普及により需要増加が予想されるリチウムについてのメモです。


○ リチウム需要

What if I Told You … Lithium is the New Gasoline

ゴールドマンサックスのレポート。

・現在の需要は、炭酸リチウム換算(lithium carbonate equivalent)で年間160,000mt。
※リチウム1トンは炭酸リチウム換算(LCE)で約5.3トンとのことです。

・バッテリーEVの1%のシェア上昇はリチウム需要を年間70,000mtLCE上げると予想。

・普通の携帯電話は5~7グラムのリチウムLCEを使うが、テスラモデルSは63キログラム(携帯10000台分)を使用する。

・2025年までにEVのリチウム消費は11倍以上に増加すると予想(ゴールドマンサックスはEVのシェア22%を予想)。この需要だけでリチウム市場は現在の3倍に拡大する。

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クオリティファクターの定義

2017年02月05日

クオリティファクターがどんな定義で使われているのか見てみました。


〇 クオリティ・マイナス・ジャンクのリターンを公開しているAQRの定義

収益性(profitability)、成長性(growth)、安全性(safety)、利回り(payout)の4つの面から構成とのこと。複雑です。

・収益性
総利益/総資産(gross profits over assets)、ROE、ROA、キャッシュフロー/総資産、売上高総利益率、利益の中のキャッシュの比率?(the fraction of earnings composed of cash)

・成長性
収益性の5年成長率

・安全性
低ベータ、低固有ボラティリティ(low idiosyncratic volatility)、低レバレッジ、低い破産確率、低いROE変動率

・利回り
株式数と負債のネットの変化(Equity and debt net issuance)、トータル・ネットの株主への利益還元率(total net payout over profits)




〇 S&P 500® QUALITY INDEX

ROE、アクルーアル、財務レバレッジ(負債/株主資本)の3つのファンダメンタル指標。

・アクルーアルレシオ
ネットの営業資産の変化率を過去2年の平均で割る?
This is computed using the change of a company’s net operating assets over the last year divided by its average net operating assets over the last two years


〇 iShares Edge MSCI USA Quality Factor ETF

ROE、利益の安定性(earnings variability)、負債比率(debt to equity)の3つの指標。


〇 iSTOXX MUTB JAPAN クオリティ 150インデックス

高ROEかつ、①財務健全性(有利子負債÷総資本)、②キャッシュフロー収益性(営業キャッシュフロー÷事業用資産)、③利益安定性(当期利益過去5年標準偏差÷自己資本)に着目。


基本的にROE系の収益性指標と、負債比率のような財務健全性指標は入っているようです。あとは、利益の安定性、キャッシュフローやアクルーアルなどの利益の質といった項目も多いみたいです。
株主への利益還元率(配当&自社株買い&負債の変化)などはバリューファクターと被ってくる気がしますね。

2016年のEV販売台数

2017年02月03日

EV Company News For The Month Of January 2017

・2016年のEVの販売台数は77.4万台で2015年から40%の増加。自動車販売台数に占めるシェアは0.85%。

・2016年12月の販売台数は10万台を超えた。

・中国の12月の販売台数は44,874台で前年比27%。シェアは1.47%。2016年の通期ではEV世界販売の46%を占める。現在の補助金は2017年に20%減、2019年までに40%減、2021年までに100%減となる。

・ヨーロッパの12月の販売台数は3万台、アメリカは2.4万台。

・2016年のメーカー別販売台数はBYDが10万台でトップ、2位はテスラの7.6万台。車種別の販売台数は日産リーフが5.18万台でトップ、2位はテスラモデルSの5.09万台。



・リチウムイオンバッテリーのコストは下がっている。EVには燃料タンクやその他の部品が不要なことを考えると、EVの価格は2020年前までにガソリン車並みになると予想される(著者は2020年~2022年を予想)。



この方はEVメーカーの他にリチウムやコバルト採掘会社についても詳しい記事を書いています。
2016年6月のこちらの記事では、推奨銘柄は、EVメーカーはBYD、リチウムイオンバッテリーメーカーはLG化学、リチウム採掘会社はギャラクシーリソースズ、コバルト採掘会社はフォーメーションメタルズ、グラファイト採掘会社はシリアンリソースズとなってます。


僕の感想ですが、EV関連銘柄はなかなか適当なものがないなという感じです。
EVメーカーはBYDとテスラがトップですが、どちらも時価総額がかなり大きいためいまから大化けを狙うという感じではないです。
リチウムイオンバッテリーメーカーはパナソニック、LG化学、サムスンSDIが大手ですが、時価総額がそこそこ高い一方でリチウムイオンバッテリー事業の割合が低いです。
リチウムやコバルト採掘会社はかなり良さそうなんですが、(専業の会社は)日本の証券会社では取り扱いがないためインタラクティブブローカーズといったアメリカの証券会社に口座を持つ必要があります。

ROEは有効なのか

2017年01月26日

ROEが高い銘柄ほどリターンも良いというのが収益性ファクター(このファクターの定義はいくつかあるみたいです)ですが、個人的にはちょっと違和感を感じていました。
というのも、僕が株を始めたころROEは投資の役に立たない指標だという話を何度も読んだからです。

そんなわけで、この指標のリターンについてもう少し調べてみました。
まずはケネス・フレンチ教授のHPからダウンロードした Operating Profitability のリターンをグラフにしてみます。バリューウェイトポートフォリオ、5分位グループの月次リターンです。

ちなみにここでの Operating Profitability の定義は annual revenues minus cost of goods sold, interest expense, and selling, general, and administrative expenses divided by book equity となっています。経常利益を使ったROEに近い感じです。



グラフを見ると確かにROEの高い銘柄ほど成績が良くなっています。
ただし、成績の違いが明確になったのは80年代後半以降で、それ以前は(グラフではわかりにくいですが)第1、第3、第5グループはほぼ同じリターンです。

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5ファクターモデルの世界と日本での有効性

2017年01月23日

The Five-Factor Fama-French Model: International Evidence

ファーマとフレンチの5ファクターモデルの有効性を国際市場で検証しています。
対象国は23か国で、北米、ヨーロッパ、日本、アジア太平洋の4地域に分けてリターンを調べています。全銘柄を統合したグローバル市場での成績も載っています。
検証期間は1992年7月~2014年12月です。

各地域における、サイズ(SMB)、バリュー(HML)、収益性(RMW)、投資ファクター(CMA)の月次リターンは下のとおりです。バリュー、収益性、投資の各ファクターは小型株と大型株の成績も書かれています。



サイズは北米のみ有効です。

バリューはすべの地域でかなりのリターンですが、北米のみ統計的に有意ではありません(t値が2を下回る)。日本のバリュー効果は最も大きくなっています。
小型バリューは北米を含めたすべてのマーケットで有効です。一方で大型バリューでt値が2を超えているのは日本のみです。

収益性は日本を除く地域でプラスのリターンですが、グローバルを含むすべてのマーケットで統計的に有意ではありません。日本のリターンはマイナスです。

投資はすべての地域でプラスのリターンですが、t値が2を上回っているのはグローバルとヨーロッパのみで、他の3地域はt値が2を下回っています。

5ファクターモデルの国際市場の結果はおおむねアメリカでの検証結果に近いとのことですが、収益性ファクターと投資ファクターの有効性はいまひとつ低く、逆にバリューファクターの効果はかなり強くなっています。
日本は、他の地域と違い収益性ファクターがマイナスリターンの一方でバリューファクターが非常に有効という結果です。

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